中国の農村改革の30年を反映する8つの流行語 (1)

 

10月13日に開業した成都農村財産権取引所は、国内で初の総合的な農村財産権取引の場である。この取引所では、土地請負経営権や農業関連知的財産権の譲渡など、農村財産権に関する情報の収集や発表、科学的な評価、専門サービスを通じて、農村財産権の合理的な移動を推進し、農村資本の秩序ある流動を実現することを目指している。

8億の農民の運命を決める中国の農村改革は、風雲の30年を歩んできた。8つのキーワードは、異なった時期の農村改革が中国の農民や中国全国にもたらした変化を生々しく映し出している。

流行語1:「全面請負制」

四川省成都市の農村財産権取引所(10月13日撮影)
「全面請負制(大包幹)」は、中国農民の偉大な創造であり、農村改革の画期的な出来事だ。

30年前に安徽省鳳陽県小崗村の18人の農民は、各農家が生産請負を行う「全面請負制」を実施し、その後、この「全面請負制」は全国に浸透した。1986年末までに各農家ごとの生産請負は、全国の99.8%の農家で行われている。

62歳の関友江さんは、30年前に「全面請負制」を実施した18人のうちの1人だ。関友江さんは、これは一生忘れることができない決定で、その後、小岡村や全国、ひいては世界で注目されるようになるとは思いもしなかったと話す。

安徽省鳳陽県小崗村にある「全面請負制(大包幹)記念館」
農民の創造的な精神から生まれた「全面請負制」は、農村の生産力の飛躍的な向上につながり、農民を「人民公社」という硬直な体制から自由にさせた。小岡村の小さな出来事は、まさに中国の農村改革の歴史的な第一歩である「家庭生産請負責任制」の誕生を促すことになったのである。

「全面請負制」は、農民の土地問題を解決する上で偉大なスタートで、終わりではない。中国共産党第17回全国代表大会報告で、「農村の基本的な経営制度を維持し、土地請負関係を安定・完備させる。そして法律に基づいた自己意思による有償譲渡の原則を踏まえ、土地請負経営権市場の健全化を図り、条件のあるところでは多様化した形式の一定規模の経営を発展することができる」と定めている。

この方針は、「全面請負制」が誕生した小岡村で実践されてきた。現在、この村の3分の1の土地はブドウ園の経営に利用されており、これだけでも村人に1人当たり2500元の収入増をもたらした。

農民の創造的な精神や願望を尊重し、政府と地方が力をあわせて発展を図れば、生産力を解放することができる。「全面請負制」は、農村の新しい改革への啓示でもある。

流行語2:万元戸

「万元戸」は一時代の人々にとって、あこがれの的だった。改革開放初期、大多数の人がまだお腹を満たすために必死だった時、勤勉さで富を築き、1万元を超える世帯年収を上げた農民が極一部にいた。彼らは当時「万元戸」と呼ばれ、他に先駆けて豊かになった農民の代名詞となった。

中国の農村が発展を続けるにともない、「万元戸」はほどなくして一時代の記憶となっていった。

流行語3:農業税

「農業税」は忘れ得ぬ歴史の記憶だ。

2005年12月29日午後、第10期全国人民代表大会(全人代)常務委員会の第19回会議で、「農業税条例」を06年1月1日に廃止することが決定された。これは8億人を数える中国の農民にとって、2600年間続いてきた「皇帝への年貢」――農業税との、法に基づく永遠の告別を意味した。

流行語4:鋏状価格差

「鋏状価格差」は中国の都市と農村の間、工業と農業の間に存在する発展格差をイメージするための比喩だ。

農村改革の進行に伴い、旧来の「鋏状価格差」が徐々に消滅するとともに、穀物生産効益の面で新たな「鋏状価格差」が生じた。穀物栽培の収益とコストの転倒、穀物生産県と県域の平均財政格差の大きさなどだ。農作業への積極性を高め、新たな「鋏状価格差」を取り除くために、党中央と国務院は「穀物栽培直接補助」「優良品種補助」「農業機械購入補助」「農業生産資材直接補助」の「4つの補助」など一連の措置を講じ、農業収入の引き上げを図った。今年の補助金給付額は1000億元を超える。

 

「チャイナネット」 2008年10月16日

 

 


人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850