交通手段、この30年の変遷

 

前書き

70年代末-80年代初め、中国の都市にあふれる自転車の流れは一大景観をなした。写真家のレンズに収まり、一世代の記憶に刻まれて、やがて遠のいて行く運命の称号「自転車王国」が与えられた。

乗用車が一般の人が想像もできない豪華な贅沢品から、簡単に所有できる交通手段になるまでに要した時間は、わずか30年。中国は米国に次ぐ世界第2の自動車市場になりつつあり、しかも近い将来、米国を追い抜く可能性がある。

歩行にかご、馬車、人力車から自転車へと、この過程で中国は数千年という長い時間を歩んできた。だが自転車、自動車、列車から飛行機が普及するまでには数十年しかかかっていない。交通手段の変遷は知らぬ間に人びとの生活に変化をもたらした。それはまた、改革開放30年という中国経済と科学技術の変革をも証言するものだ。

自転車王国は記憶のなかに

自転車を持つうれしさ 当時の公共バス 乗用車は記念撮影の道具

新中国建国後、とくに80年代、自転車は徐々に多くの一般家庭に浸透するようになり、普及率最高の交通手段となった。

そのころ、朝の出勤のピーク時には、膨大な数の自転車が一斉に街にあふれ出し、実に壮観だった。こうした自転車の光景は世界でも珍しく、外国人から「世界8番目の奇観」と呼ばれるようになった。自転車に乗れる、自分の自転車を持つことが多くの子どもたちの夢に。感動的なあるラブストーリーのなかで、若い男性が女性を乗せ、風を受けながら愉しそうに自転車をこいでいく。その時代の象徴性に富んだシーンだ…

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乗用車が一般家庭にも

中国は世界2番目の自動車消費国 モーターショーでは、世界の有名メーカーが揃う マイカーのかわりに多くの市民が地下鉄を選択している

改革開放後、自動車工業の発展を図り、奇形的な産業構造を改めるため、北京一汽は78年、半年かけて日本の自動車メーカー11社を視察して回った後、初めてトヨタ生産方式を導入、全工場と全業界でその方式を普及させた。1978年の千人当たりの自動車保有台数は0.5台と、世界第140位だったが、今日では世界第2の自動車消費国、生産大国へと躍進…

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列車と飛行機、世界を1つの「村」に

この30年来、自動車や列車、飛行機などの近代的な交通手段が発展してきたことで、中国人の活動範囲は大幅に広がり、世界は非常に小さな“地球村”に変貌。過去、十数日あるいはより長い時間を要した旅は、今では十数時間の飛行で目的地に着くことができる。朝、リラックスしながらパリでコーヒーを飲む。夜、北京に戻ってお茶を飲むことも可能になった…

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「チャイナネット」 2008年10月17日

 

 

 


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