改革開放30年の歩み

 

1992年:社会主義市場経済体制改革の目標を確立

1992年の10月12日から18日にかけて北京で開かれた中国共産党の第14回党大会で、江沢民総書記は「改革開放と現代化建設の歩みを加速し、中国の特色ある社会主義事業のさらに大きな勝利を勝ち取る」と題する報告を行った。江総書記はこの報告で、第11期中央委員会第3回総会以降の14年間の実践と経験を総括。チャンスを捉え、発展を加速することを決定し、中国の経済体制改革の目標が社会主義市場経済体制の構築であることを確定し、鄧小平氏の「中国の特色ある社会主義建設理論」によって全党を理論武装することを提起した。

 

1993年:現代的企業制度の構築

1993年の11月11日から14日まで開催された中共第14期中央委員会第3回総会は「社会主義市場経済体制の構築における若干の問題に関する中共中央の決定」を可決。「社会主義市場経済体制は社会主義の基本制度と1つに結合したものである。社会主義市場経済体制の構築とは、国家によるマクロ調整の下で、資源配分における基礎的役割を市場に発揮させることである。国有企業の経営メカニズムの転換をさらに進め、市場経済のニーズに適応し、財産権がはっきりし、権限と責任が明確で、行政と企業が分離し、科学的に管理される現代的な企業制度を構築しなければならない」と指摘した。

 

1993年:分税制改革の実施

1993年12月15日、国務院は分税制財政管理体制の実施に関する決定を発表した。翌1994年に分税制財政体制改革が行われ、1995年からは政府間財政転移支付制度改革も始まり、比較的規範化された政府間財政転移支付システムの構築が進んだ。さらに2002年に所得税歳入共有改革が行われたことで、社会主義市場経済の要求に応える財政体制の枠組が基本的に構築された。これは政府間財政関係における、建国以来最も広範で、最も強力な調整で、最も影響度の深い、重大な制度改革だった。

 

1993年:金融体制改革の目標を提示

1993年12月25日、国務院は「金融体制改革に関する決定」を発表し、金融体制改革の目標を▽国務院の指導の下で通貨政策を独立執行する中央銀行によるマクロ調整システムを構築する▽政策的金融と商業的金融を分離することで、商業銀行を主体に各種の金融機関が併存する金融組織システムを構築する▽統一され、開放された、秩序と競争があり、厳格に管理された金融市場システムを構築する。金融体制改革を通じて、中国人民銀行を通貨政策を独立執行する中央銀行とするマクロ調整システムを確立する▽政策銀行と商業銀行を分離した金融機関システムを実行する▽1994年から為替レートを一本化する――ことと定めた。

 

1994年:対外貿易体制の総合改革

1994年1月11日、国務院は「対外貿易体制改革の一層の深化に関する決定」を発表し、対外貿易体制改革の目標を「政策統一、経営開放、平等競争、損益自己責任、工業と貿易の結合、代理制推進、国際経済の一般ルールに適応した運用メカニズムの構築」と定めた。1996年4月1日には4000品目余りの商品ついて大幅に輸入関税を引き下げ、関税率水準は23%に下がった。

 

1992・1994年:医療・住宅市場化改革

1985年、改革開放という大きな背景の下で、医療衛生制度も改革の歩みを始めた。医療改革の柱となる考えは「権限委譲、病院の自主権の拡大」。医療改革に対する政府の姿勢は「政策を示し、資金は拠出せず」。政府からの資金拠出の不足を補うため、薬価の15%引き上げも認めた。1992年9月、衛生部は国務院の意見に基づき、「以工助医(企業の経済力で医療機関を支援する)」「以副補主(副業で本業を補う)」ことを病院に求めた。2000年、改革は徐々に深い発展へと向かい、体制や構造など深いレベルの問題に触れるようになった。 1994年7月18日、国務院は「都市住宅制度改革の深化に関する決定」を発表し、都市住宅制度改革の基本的内容を明確にした。これには住宅の実物を社会福祉的に分配する方式を、労働に応じた分配を中心とする貨幣・工賃分配方式に変えることや、住宅公共積立金制度の整備などが含まれていた。

 

1995年:「2つの根本的な転換」

1995年9月25日から28日にかけて開かれた中共第14期中央委員会第5回総会は「国民経済と社会発展の第9次五カ年計画と2010年の長期目標の制定に関する中共中央の建議」を採択し、第9次五カ年計画と2010年の長期目標を実現するための鍵は大局的意義を持つ2つの根本的な転換にあるとして、(1)従来型の計画経済体制から社会主義市場経済体制への転換(2)粗放型の経済成長モデルから集約型の経済成長モデルへの転換――を挙げた。この2つの根本的な転換は、中国の経済建設が体制改革の深化や質的向上の方向へ発展することを示すものであった。

 

 


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