経済学者インタビュー(3) 就職問題の解決が急務

 

経済成長の減速などの影響を受け、中国の就職状況は09年、とても厳しい局面を迎えている。成長率の確保と同時に就業の確保が必要なことはすでに、社会全体の共通認識となっている。

レー氏はこれを、経済の周期性という角度から分析している。経済学の法則によると、経済成長の周期は、就業増加の周期に先駆けている。経済の成長が良好な兆しを見せているにもかかわらず、就職問題がまだ底を打っていないのはそのためだ。

「これら2つの周期は異なる曲線を描く上、就業周期の上昇スピードは経済周期ほど早くはない。経済危機の後には、技術の改善や設備の更新がなされ、労働生産性が向上する企業が多いため、過去ほど多くの人が必要でなくなるからだ。目下の重要課題は、就職問題を当面の急務として置くことだ」と所ホ氏は指摘する。

中国は08年、新たな就職先1千万ポストを創出するという目標を掲げ、1113万ポストの創出を実現した。09年は900万ポストの創出を目標としている。レー氏によると、「この目標を達成するのは簡単ではないが、政府は現在、積極的に方法を模索している」

就職という難題はどうすれば解決できるのか。レー氏はこれについて、「長期的な発展から見れば、中国は、資本集約型・技術集約型の道をたどらなければならない。だが、労働集約型企業は効率が低いので重視すべきではないというのは間違いだ。より多くの労働力を吸収しなければならない現在、労働集約型企業の支援の必要性はとりわけ高い」と語る。

レー氏はさらに、沿岸地域から内陸へと帰郷した出稼ぎ労働者に起業のチャンスを与えることを検討してもいいのではないかと提案している。例えば、これらの人々が自分の長所を生かして小型企業や作業所を作り出すことを、少額貸し付けを通じて支援するなどの措置だ。労働力の吸収を実現するには、インフラ建設の加速よりもこのような措置の方が効果的だと考えられる。

*「レー以寧」はがんだれに「萬」

 

「人民網日本語版」 2009年3月5日

 

 

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