全人代、内需拡大・就業の促進・経済成長の確保について記者会見

工業・情報化部の李毅中部長

人力資源・社会保障部の尹蔚民部長

商務部の陳徳銘部長

10日午前10時、第11期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が人民大会堂一階のプレスホールで記者会見を行い、工業・情報化部の李毅中部長、人力資源・社会保障部の尹蔚民部長、商務部の陳徳銘部長らが、内需の拡大や就業の促進、経済成長の確保などについて、記者の質問に答えた。チャイナネットは記者会見を生中継した。

「CCTV・CCTVネット」記者

「CCTV・CCTVネット」記者:今年2月の全国の電力使用量が4%増となり、昨年10月以降の電力使用量が低下し続けている状況は一変した。李毅中部長はこれをどう見ているか。これは中国の工業経済がすでに回復軌道に乗っていることを意味しているのか。

李毅中部長:1、2月の電力使用量に関する統計データは発表されたばかりだが、2月の電力使用量はたしかに前年同期比で4%上昇した。われわれもこれに留意している。

2月には比較不能の要素がある。1、2月の電力使用量、発電量の合計は昨年同期に比べて3.7%低下し、まだ低下状況が続いている。

しかし、昨年11月の電力使用量データは前同比-7.5%、12月は-8.7%、今年1、2月の合計は-3.7%となっている。電力使用量の低下状況が続いているが、低下幅は著しく縮小している。これは中国経済にとって望ましい兆しと言えよう。一方で、中国工業は依然として困難な状況にあり、まだ油断はできない。

「人民日報・人民ネット」記者

「人民日報・人民ネット」記者:今年の中国の経済成長が緩やかになれば、就業にはどんな影響があるだろうか。

尹蔚民部長:経済成長は就業を促進する重要な要素だ。国際金融危機の影響で、今、中国の経済成長のスピードは緩やかになり、就業の状況にも直接影響が出ている。そしてその情勢は非常に厳しいが、それには主に3つの点が上げられる。

一つ目は、都市部の就業数が大幅に下がり、登録された失業率が上昇していることだ。昨年第4四半期から都市部で新しく就職した人の数は急速に減少し、10月は84万人、11月は55万人、12月は38万人、失業率も4.2%とこの3年で最も高いレベルだった。

二つ目は、出稼ぎ労働者の失業情況が深刻で、三つ目は、企業の部署が減っていることだ。測定している15の重点都市では、昨年第4四半期から約40%の企業で減少した。増減を差し引いた減少率は5%で、全国では約300万人が失業していることになる。

中国政府はこの厳しい就業の状況を重視し、一連の政策措置を採った。そして一応の効果が出ているはずで、私の手元には今2つのデータがあるが、これはとてもいい情報だ。

一つは、今年の1月と2月、都市部で新しく就職した人の数が上昇に転じ、1月は69万人、2月は93万人だったこと。昨年11月は55万人、12月が38万人だったため、これは明らかに回復している。二つ目は、昨年10月から今年の1月まで減り続けていた企業の部署が2月から増え始めたことで、わずか1%の増加だがいいニュースだ。

『フィナンシャル・タイムズ(英紙)』記者

『フィナンシャル・タイムズ(英紙)』記者:農村における家電普及の実施がすでに一定の時期が経っており、今後は農村でのコンピューター普及だが、農村の家電普及は、内需拡大や全体的な電子産業の内需刺激に対して、具体的にどのような効果があるのか。

李毅中部長:農村の家電普及の実施において、先頭に立ったのは商務部と財政部で、これは国内消費をけん引する重要で効果的な政策だ。温総理は政府活動報告の中で、200億元で農村の家電普及の実施をけん引すると述べたが、この計画は一昨年は13のモデル省、昨年は14の省、今年はすべての省で実施される。

現在、農村の家電普及の対象家電製品の種類は多様化しており、コンピューターやエアコン、電磁調理器なども含まれている。また価格の13%に当たる補助金が出る家電の種類の制限も緩和され、もともと1世帯1台だったが、世帯人数の多い家庭は2台購入できるようになり、農民たちは喜んで受け入れている。

家電企業も入札で落札された企業が選ばれ、在庫や売れ残った商品が販売されることはない。製品は農民たちの特徴に合わせて開発した新しい銘柄で、農村の水利用や電気利用、住宅の状況を踏まえて製造されている。

農村の家電普及により、最初は電子製造業と家電工業をけん引したが、今は鉄鋼や薄板、化学工業、機械製造工業などを促進している。もちろん様々な問題もある。例えば沿海地域と内陸地域の農民では、製品の種類に対する要求が違い、さらに高級な家電を購入したいと思っている農民も少なくない。決算や清算で不備もあるが、これらの問題は一つ一つ解決されている。

農村の家電普及を今後1年、2年、3年と実施すれば、電子工業や電子製造業の促進は非常に顕著であることは、今までの実施で裏付けられている。

『中国経済時報』記者

『中国経済時報』記者:国は経済が安定し比較的速く成長することを維持するために、消費や需要の拡大を非常に重視している。消費の拡大は現在の状況ではどのぐらいの潜在力があるのか。またどのような方面から消費を拡大するのか。

陳徳銘部長:内需を拡大する消費は、金融危機が発生以降、そして今年の1月と2月においても増加している。ただ、増加率はやや低下している。これは、中国の経済ファンダメンタルズと経済発展すう勢が引き続き望ましいものであることに変わりはないことを意味しており、そして中国政府の流通の活性化や消費拡大の政策と措置は役割を果たしていることをも物語っている。

中国には巨大な消費の潜在力がある。全体的に見て中国はまだ社会主義の初級段階だ。GDPは1人当たり約3000ドルで、世界では110位前後と、まだ長い時間をかけないと本当には豊かになれない。しかし中国の人口は13億人だ。たとえ1人当たりのGDPが低くても、13億をかければ巨大な額になる。特に農村には約8億人が暮らし、現在はメカニズムの調整や方法の転換過程にいることから、巨大な市場である可能性は非常に高い。

消費の増加は3つの面によっている。一つ目は、社会保障システムが健全かどうかだ。二つ目は、収入が引き続き増加するかどうで、三つ目は、伝統や文化、民族の習慣の影響だ。

国は消費を促進する時に以上の3つの要素を踏まえ、戦略的な手配を行った。まずこの数年のうちに、都市と農村の社会保障システムをさらに改善する。そして投資の増加や工業技術の改善など、多くの経済を刺激する方法で、就業の機会と収入を増やす。既定の社会保障システムと収入を前提に、農村市場の開拓と都市のサービス業を向上すれば、中国国内の消費は、今後のある時期に比較的速い増加を示すだろう。

『中国県域経済報』記者

『中国県域経済報』記者:工業・情報化部は中小企業を導き援助する主な部門だが、金融危機への対応や中小企業の融資が難しいなどの改善ではどのように考え、具体的にはどのような援助政策があるのか。

李毅中部長:中小企業は中国の国民経済で非常に重要な地位を占めている。統計によると中小企業の経済総量は全国の60%、企業数では99%以上、従業員数も全体の80%を占める。

今回の金融危機で中小企業は一番大きな打撃を受け、資金不足という大きな問題にさらされている。難点は中小企業の融資の保証で、これの突破口が開かれれば、中小企業の貸付もしだいに解決できるだろう。

具体的な一つ目の措置としては、中央政府が10億元を出し、地方政府も資金を調達して、中小企業の保証機関をできるだけ早く建設することだ。現時点ですでにこの10億元は330の保証機関に分けられ、4万社に2500億元を貸し付けることができる。これは非常に重要な措置で、その他にも今後3年間の保証機関の営業税を免除し、中小企業への保証を奨励する。

二つ目の措置は、各地の地方政府や省クラスの政府が、市や県の保証機関のための再保証機関を設立することで、保証機関もリスクを負うため、政府が資金を出して再保証機関を設立する必要がある。そうすれば保証の働きも拡大し貸付額も増える。金融業界と相談して、今年中には中小企業への貸付を6000億元以上に拡大し、中小企業の困難を解決する。

三つ目は、他の融資ルートの開拓だ。例えば資本市場のグロスエンタープライズ・マーケット(GEM)を設立し、条件がある中小企業の上場や直接融資をサポートする。また中小企業がグループで起債したり、大企業が小企業を支援するプラットフォームを構築する。

四つ目は、政府活動報告の中で温総理が話した、去年39億元だった中小企業発展基金を、今年は96億元に増やすこと。

5つ目は、中小企業向けに技術や管理のコンサルティング、育成、相互交流、市場開拓策の場を作り、中小企業の経営管理レベルを向上させることだ。

 

「チャイナネット」2009年3月10日

 

 

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