「好天」と発表された日に、なぜ視程が悪いのか

近年、全国、特に珠江デルタ、長江デルタ、北京、天津の周辺地域では、視程の悪い日が多くなっている。中でも珠江デルタは最もひどく、視程の悪い日が年間180日で、180日を上回る年もある。観測データや専門家の分析によると、都市部では自動車台数の急増にともない、排出量も増加し、空気中にはPM2.5という浮遊粒子状物質も増えている。こうした粒子の累積が、空気の視程を悪くしたのだという。

環境部は現在、関連の地方政府と協力して、こうした問題の解決に力を入れている。現在の空気汚染指数は10年前に制定されたものであり、当時の事情に合わせて、ただ二酸化硫黄、二酸化窒素、呼吸により身体に入る粒子という三つの指標が制定されただけで、PM2.5やオゾンといった視程に影響を及ぼすものは組み入れられていない。そのため、観測部門が「好天」だと発表した日にも市民は青空を見ることができず、これについてわざわざ電話をかけてきて問い合わせる市民もいたほどだ。環境部は現在、空気の質の評価システムの改正を研究しており、オゾン、PM2.5粒子なども取り入れ、視程も基準の一つとすることを考えている。

車両の増加と環境汚染の矛盾をどのように解消するか

最近、国務院はいくつかの内需拡大策を打ち出しており、中には、個人による車両購入への奨励策が含まれ、排気量1.6リットル以下の自動車については車両取得税が半分に引き下げられた。この政策の実施は、内需の拡大と国民の生活水準の向上にとって大きなメリットとなる。われわれは、車両の増加が環境に悪影響を及ぼすことは、疑う余地のないことであると思っている。しかし、環境に影響があるからと言って、自動車産業を発展させないで、車を利用せず、みんなが「自転車時代」に戻るというのも非現実的で、実現不可能なことだ。

自動車の汚染物質排出対策について、われわれは次のいくつかの措置を打ち出した。

1、自動車の汚染物質排出基準を厳しくする。ある専門家は、「国ゼロ」排出基準の自動車1台の汚染物質排出量が「国Ⅲ」排出基準車14台の排出量に相当すると話している。だからこそ、われわれはいち早く基準を引き上げ、新車の排出量をできるだけ抑えることが必要だ。昨年、われわれは「国Ⅲ」排出基準を全国で実施し、北京、上海、広州といった大都市ではすでに「国Ⅳ」排出基準を実施、あるいは実施の準備を進めている。

2、汚染が深刻な車、つまり「国ゼロ」排出基準の自動車淘汰を加速させる。法律・経済・行政面などの総合的手段を採らなければならない。

3、検査・測定を強化し、新車の適合性検査を行う。つまり量産車が、提供された標準車の排出基準に達しているかを検査する。われわれは生産ラインで製造中の車を検査し、これらの車が所定基準に達するよう努める。

広東省、珠江デルタの水質汚染の防止と整備を強化

環境保護を強化する広東省党委員会と省政府は、珠江デルタの水質汚染の防止と整備に特に力を入れている。例えば、汚水処理工場の建設では、他の地方は県クラスだが、珠江デルタの汚水処理工場の建設は郷や鎮、主要な村落にまで至っており、珠江デルタは水質汚染防止と整備では、全国でトップに立っているといえるだろう。

しかし特に改革開放後の珠江デルタは、工業を発展させるために汚染の深刻な企業を招致し、産業構造も合理的ではなくなった。そのためここ数年、広東省党委員会と政府は、多くの企業を外に移したり閉鎖したりして、産業構造で発生する新しい問題を調整している。

水質汚染を解決する措置

1、 水源の制御を行い、企画や環境の質、全体量の規制条件に合わない企業は再建することができない。

2、 重点流域計画の実施を推進し、都市の汚水処理工場やゴミ処理工場を重点的に建設して、河川の総合的な整備を実行する。

3、 農業面で汚染源となっている問題を解決する。

4、 飲用水の安全を保障する。

5、 審査の程度を強化する。中央は省に対して、省は各市と県に対して審査の程度を強化し、国務院の関連部門との協議で、省境の河川に対して断面審査の方法をまもなく提出することにしている。この審査方法では、河川が各省を出る地区の断面の水質条件が明確になり、条件に達しない地区や流域での建設プロジェクトの審査や許可を停止する。

 

「チャイナネット」2009年3月11日

 

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