フランス人観光客:新疆での見聞を友達に話したい

 

マイケル・デュポンさんは12日、フランスからの観光ツアーグループ一行と新疆ウイグル自治区のウルムチ空港に到着した際、一行はごく少数のキャンセルをまぬがれた観光グループの一つだということを知らされた。

一週間前の5日に、新疆ウイグル自治区の省都・ウルムチ市で大規模な暴力犯罪事件が発生し、184人が死亡し、1600人以上の市民が負傷した。そのため、各旅行社がただちに新疆行きのツアーをキャンセルしたり延期したりする対策を講じ、新疆の観光業に大きなダメージを与えることになった。

ウルムチ空港で仕事をしている観光業者の斉西さん(音訳)は、「今、外国から新疆に来るのはビジネスマンと記者だけです。安全上の理由で、ここ数日ウルムチ市を離れる人がだんだん増えています」と語った。

地元でガイドの仕事をしている劉笑平さん(音訳)は、「経理が昨日の夜電話で、このフランス観光ツアー一行を案内するよう指示してきたのです。これは私にとって今週最初の仕事です。今では、自宅で旅行社からの指示を待たざるを得ない同僚が大勢います」と語った。

何度も中国を訪れたことがあるデュポンさんは、フランスを出発する前に、電子メールを通じて、こういう時期に新疆観光ができるかどうかについて中国人の同僚に尋ねた。同僚から大丈夫という返事を得たので、デュポンさんはすぐ荷物を整えて中国に行くことを決めた。友だちはこれを知って、「それは大胆過ぎる決断じゃないんですか」と、身の安全を心配してくれたが、デュポンさんは、「誰も私が行くことを阻止できません。自分の決めたことを変える理由はありません」と語った。

武装した警官がいくつかの通りの交差点に立って秩序を維持している以外、市内の様子はすでに回復している。お店やレストランも営業を再開しており、商売人たちも夜のバザールの用意におおわらわであった。しかし、市内はまだ緊張したムードに包まれ、「心の傷を回復癒すにはたぶん長い時間が必要だと思います」と劉笑平さんは語った。

新疆博物館の案内係を務めている劉さんは、これらのフランス人観光客から様々な質問を受けた。服装や帽子、壁掛け、木製のスプーン、書見台、地元で発掘されたミイラ…観光客たちは新疆のすべてに深い興味を持っている。

「正直に言って、お腹が空きましたよ。晩ご飯も焼きナス料理にしましょうか」と、植物ウィルスの学者カルティンさんは尋ねた。在席の人がどっと大声で笑った。実は、みんなは焼きナス料理、新疆のハミウリ、赤ワイン、様々な肉と野菜などを含む盛りだくさんな昼ご飯を食べたばかりであったのだ。

デュポンさんは、「この町が大好きです。現代的な博物館、親切な人々、美味しい食べ物…すべての良いものが好きです」と、新疆に対する深い思い入れをあらわにし、「もちろん、街角では多くの武装警官の姿が目につきます。しかし、それを見て、私は緊張ではなく、いっそう安全になったと感じています。この時点に新疆に来たのは、本当に賢明な決定でした」と、得意満面に語った。

「中国がこの問題を解決することができると信じています。もちろん、傷を癒すには時間が必要です」とカルティンさんは語った。

デュポンさんは最後に、「もし『新疆でどんなことが発生したのか』と聞かれれば、今回の暴力事件は外部の勢力が扇動したもので、このような事件は他の国でも起こっていると答えたいです。今、私はカシュガルでの観光を楽しみにしています。フランスに帰ってから、ぜひこの地での見聞を友だちに話してあげたいです。今回の決断は『大胆過ぎる決断』ではないことを知ってもらいたいのです」と語った。

 

「チャイナネット」 2009年7月16日

 

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