勝ちは喜ぶべし 負けても欣然たれ

 

外国でも国内でも、重要なサッカーのゲームでは、多くのサポーターが賑やかに応援する。サポーターたちは派手な服を着て、頭に鉢巻をし、顔にドーランを塗って、天地を揺るがすほど大声を張り上げる。こうして彼らのほとばしる感情を他人と分かち合うのだ。

サポーターがいなければ、サッカーのゲームは、少なくとも半分は派手さがなくなるだろう。しかし残念なのは、盛り上がった試合会場ではきまって、調和を乱す現象が起こることだ。それは国内でも外国でも、おおむね例外がない。

1985年8月に第1回「コダック杯(16歳以下)国際ミニサッカー選手権」が中国の北京、天津、上海、大連で催されたが、8月7日の夜、北京の試合会場の観客席に大きな8文字の標語が登場した。

「勝固可喜 敗亦欣然」(勝ちはもとより喜ぶべし、負けてもまた欣然たれ)

この標語は、その日の『北京日報』に載ったある文章のタイトルからとったものである。時の北京市副市長で、現在は中国人民対外友好協会会長の陳昊蘇氏が書いたものだ。

これについて陳氏に教えを請うと、陳氏は「この8文字は、宋の詩人、蘇東坡の『観棋』(囲碁を観戦する)という詩からとったもので、原文は『勝固欣然 敗亦可喜』であったのを現代の言い回しに直した。一部のサポーターがあまりにもゲームの勝敗にこだわるので、過激なサポーターにあまり熱狂し過ぎないよう諭すのがこの文章の目的だった」と言うのだった。

蘇東坡は生涯、多くの挫折を味わい、この詩を書いたときはすでに60歳を超えて、海南島に配流されていた。実は、彼がこの詩を書いたとき、その意図はまったく囲碁にはなく(彼自身、「囲碁はできない」と述べている)、主に人生の損得や成功・失敗を達観していることを示すところにあった。

そこで私たちは蘇東坡の詩を借用して、その詩の積極的な意義を発揮させたい。そしてこの詩がスポーツ精神の中の、権威あるスローガンの一つとなるよう望んでいる。(趙啓正=文)

趙啓正

 

 1963年、中国科学技術大学核物理学科卒業。高級工程師などを経て1984年から中国共産党上海市委常務委員、副市長などを歴任。

 

 1998年から国務院新聞辦公室・党中央対外宣伝辦公室主任。

 

 2005年より全国政協外事委副主任、中国人民大学新聞学院院長。

 

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