緒方貞子・JICA理事長 西部の環境保護に注目

講演の現場

12月4日、緒方貞子・JICA(国際協力機構)理事長は、清華大学において「グローバル化時代の日中関係の展望」をテーマとする講演を行い、現場で記者の質問に答えた。

今年は、JICAの対中国援助30周年にあたり、また中国の西部大開発戦略の実施10周年にもあたる。緒方理事長は、記者の質問に答えるなかで、特に、JICAが西部において展開している、農業、林業、環境整備など多領域にわたる協力プロジェクトについて指摘した。また、2008年には、四川大地震における救援活動に対し、迅速に専門家を派遣し、大量の物資を提供している。緒方氏は、今後、西部地区の環境保護と人材育成の領域に関し、中日合作のさらなる推進を希望している。

質問に答える緒方貞子氏 質問する記者

JICAのデータによると、1980年4月から2007年まで、JICAの対中国円借款は3兆3164億8600万円にのぼり、借款協議(L/A)プロジェクト総数は、367件にのぼる。2009年3月現在までで、開発調査、技術合作、無償資金援助、円借款プロジェクトなどを含むJICAの合作項目は、合わせて105件にのぼる。74件の円借款プロジェクトのうち、西部地区と関連するものは、33件、29件の技術合作プロジェクトのうち、西部の12の省市自治区で展開中のものは9件である。

このほか、JICAは、中国気象科学研究院と合作を行っており、チベット・青海高原および周辺地区に対する総合気象観測ネットワークプロジェクトと業務応用研究を展開している。(文・写真/劉玉晨)

 

人民中国インターネット版 2009年12月7日

 


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