第5期中日友好21世紀委員会第1回会合、北京で開催

 

第5期中日友好21世紀委員会第1回会合が7日午後、北京の釣魚台国賓館で開催された。温家宝総理と鳩山首相が今会合の開幕に際し祝賀のメッセージを寄せ、中国側座長の唐家璇・元国務委員会委員と日本側座長の西室泰三・東京証券取引所会長は、それぞれ代表団を率いて出席し、開幕式で基調報告を行った。

温家宝総理はメッセージの中で次のように述べた。新世紀に入って10年、中日関係は紆余曲折を経て、戦略的な互恵関係という目標に向かって大きな一歩を踏み出した。成果を出すのは難しく、時代の流れに逆うことはできない。複雑な国際情勢と多くの試練に直面し、双方は大所高所から物事を見て信頼を深め、各分野の対話や協力を推進する必要がある。これは両国とアジアの発展にプラスとなるだけでなく、世界の政治や経済にも好影響をもたらす。中日友好21世紀委員会は両国間の架け橋となり、政府と社会を結ぶきずなともなる。現在、中日関係は発展の重要な時期にあり、双方の委員が誠意を持って協力し、智恵を集め、良策を与え、事実に基づき進め、中日の長期にわたる友好の促進と共同発展に貢献することを望んでいる。

鳩山由紀夫首相は次のように述べた。日本と中国はともにアジアの重要な国で、双方は両国関係をアジアと世界の視野から考え、理解と協力を深め、日中の戦略的互恵関係を全面的に構築すべきである。双方の委員が未来に向かい、十分な交流を行い、中日関係の長期的な発展に向け積極的に意見が出せることを望んでいる。

唐家璇氏と西室泰三氏は開幕式で基調演説を行った。

唐家璇氏は、戦後の中日関係の発展を振り返ると、3つのことが啓示されたと話す。1つ目は中日友好の方針を貫くこと。鄧小平氏は生前、中日は永遠に友好を保たなければならないと述べ、この重要性は中日間のすべての問題を超えた。2つ目は中日の4つの政治文書の原則と精神に基づき、双方のコア利益を尊重し、全体を捉え、問題と相違を冷静、慎重、適切に処理すること。3つ目は互いの発展を客観的に認識、対処し、正確な位置づけを行うこと。中日両国は協力パートナーであり、互いに脅威をもたらさず、平和な発展を支持する。

唐家璇氏は、中日両国は絶えず発展し、国際・地域構造は大変革、大調整が進み、中日関係に重要なチャンスを与えていると述べる。

中国経済の良好な発展は中日の経済・貿易協力に更なる発展余地を与える。日本の新政権はアジアと中日関係に重視しており、中日関係の更なる発展にプラスとなる。アジアの地域協力は急速に進み、東アジアは世界で発展が最も速い地域の一つで、中日はアジア一体化の構築、アジアの共同発展を推進するチャンスに面している。ポスト金融危機時代の世界経済のモデルチェンジにおいて、中日経済の優位の相互補完、協力の潜在力は非常に大きい。

唐家璇氏は、中日関係にはまだ無視できない問題と試練が残っており、両国の政治面の信頼を深め、国民感情を改善し、敏感な問題を適切に処理する必要があると指摘。

また、新情勢下で、変化に応じ、チャンスをつかみ、マイナス要素を抑制し、プラス要素を拡大し、中日の戦略的互恵関係のレベルを向上させ、中日関係の更なる発展を進めることが双方の目標だと強調し、以下の5点を提案した。

1. 戦略的な相互信頼を構築する。今年の両国指導者の相互訪問を積極的に推進、計画し、政府、政党、議会、国防などの分野における交流と対話を強化する。

2. 中日経済・貿易関係のモデルチェンジ・レベルアップをはかる。新構想の樹立、新分野の模索、新空間の開拓を進め、持続可能な発展を重点とし、エネルギー環境、エコ・低炭素、ハイテクなどの分野の協力を強化し、互恵・ウィンウィンを実現させる。

3. 人的交流を拡大し、国民感情を改善する。メカニズムを整備し、投下を増やし、根気強く継続する必要がある。上海万博をきっかけとし、両国の人的交流を増やす。

4. アジアを主な舞台とし、国際・地域問題への取組みの協調と協力を深める。地域の金融協力、アジア債券市場とインフラのネットワーク化の建設を共同で進め、中日韓自由貿易区に関する産学連携研究を進める。

西室泰三氏は、「日本は中国の急速な発展と地域・国際問題への取組みにおいて重要な役割を発揮していることを重視している。日中はともに重要な国で、双方は幅広い分野で交流と協力を深め、互いに参考とし、相互利益を高め、共同で発展させていくべき」と述べ、以下の3点を提案した。

1. 政策において意思疎通と対話を行い、政治の相互信頼を高める。

2. 貿易の自由化を進め、エネルギー、環境保護、気候変動への対処などの分野で新たな協力を展開する。

3. 民間・人的交流を奨励し、相手国を熟知し、理解できる人材を育成する。

4. アジア地域協力を共同で促進し、世界の平和と調和、世界経済の均衡と持続可能な発展を促進する。

開幕式の後、双方の委員は国際構造の変化と中日関係などについて討論を行った。

中日友好21世紀委員会は両国政府の諮問機関で、1984年に発足。両国の各界著名人で構成され、両国の交流と協力の促進、中日関係の改善と発展に積極的な役割を果たしている。第5期委員会は2009年11月に設立した。会期は3日間で、双方は国際構造の変化と中日関係、国際・地域経済の動向と中日協力、中日の世論の変化と国民感情などをテーマに話し合う。

 

「チャイナネット」 2010年2月8日

 

 

 

 

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