世界が中国を知るチャンス、上海で応援!  
 

文・岡田紘幸

2009年3月、「日本と中国、若者の未来の架け橋へ」をテーマに、日中国際親善協会中部支部という団体を立ち上げました。本部は東京に置き、中部の愛称は「チャイナル!日本」にしました。2010年の上海万博を迎えるため、「チャイナル!日本」は「上海万博にエールを!」を合言葉に、交流会や勉強会などいろんな企画を行っています。

王澤有希さん
今回紹介するのは、SNSを通じて上海で知り合った、愛知万博の経験を持つ友人。愛知から上海万博への思いは、並々ならぬものがありました。

岡田:中国との関わりはいつから?

有希:2006年2月から3月にかけて3週間、北京に短期留学し、朝から4時間みっちり個人授業してもらいました。そのおかげで、たった3週間だったにもかかわらず、私の中国語会話能力は急激に成長し、4月になって日本で大学の授業に出た時、同級生が非常に驚いていました。

またその3週間で、今の妻となる運命の人と出会い、恋に落ちました。そこから日本と中国の「超遠距離恋愛」が始まりました。大学卒業後は、日本での就職も考え、内定も出ていましたが、妻に「あなたは上海へ行ったほうがいい」と勧められ、上海に住み始めてもうすぐ丸2年ですね。

岡田:愛知万博は、何か関わっていたそうですが。

有希:大学2年の時、愛知万博に自転車タクシー「Velotaxi」ドライバーのアルバイトとして参加しました。きっかけは、開幕前に万博のスタッフのアルバイトを探していた頃、たまたま通りがかった中心街で。ドライバーを募集していたため、即応募し、面接で英語が得意であることをアピールし、採用されました。Velotaxiとは、ドイツ生まれの電動補助つき自転車。卵形をしており、後ろ側に大人2人が座れるようになっています。また電動補助つきのため、発進時や坂道でも比較的楽に走れます。

私は開幕前のプレオープンから閉幕までずっと、学校の休みの日はほとんどドライバーとして働いていました。体力的には楽ではないアルバイトでしたが、そこで得たバイト代よりも、さまざまな地域からのお客様との会話が一番の収穫でした。そして、そのたくさんのお客様に対して万博の思い出の一部となれていること、さらには愛知万博という世界的なイベントをつくり上げる側として、参加できたことが何よりも誇りです。

岡田:当時の一番の思い出は?

有希:一番好きだったのは、ときどき行われていた各国館のスタッフパーティー。人種も国籍も宗教も年齢も性別も関係なく、だれもが打ち解け、だれもの距離を近づけられる、そんな風景が広がっていました。敵対しているような国と国のスタッフでも、パーティーでは仲良くなっている…そんな場面もありました。

世界平和って、こういった1人ひとりの関係から始まっていくのではないか。そう思わせてくれる場所でした。今でも自転車タクシーや万博スタッフのメンバーとは、ネットを通じてつながっていますよ。

愛知万博自転車タクシースタッフ一同の集合写真。愛知万博最終日、2005年9月25日に。また、有希さんの大好きな浦西から撮った上海の1枚。

岡田:上海の魅力はズバリ?

有希:4点。歴史があるのに、急速に発展しているところ。外国のものを進んで受け入れる気概にあふれていること。さまざまな国の人が、入り混じりながら住んでいるところ。上海人は外国人に対して非常に優しいこと。

また上海は、住み始めた頃から比べると、あちこちで工事されていて、交通の便がどんどんよくなっている点も魅力。地下鉄や高速道路がどんどん増えていて、渋滞は軽減されてきています。ただし、この2年で、物価がかなり上がったように思います。特に野菜や米が…。

岡田:いよいよ上海の一大祭典が始まります。

有希:世界が上海を知るチャンス、そして中国が世界を知るチャンス。日本から来る人には、一方的じゃない、双方向の交流を楽しんでほしいですね。そして、私も上海万博でスタッフとして働きたいと思っています。日本語・中国語に加え、英語もできますので是非興味をお持ちの方はお誘いください。

岡田:ありがとうございました。

 

王澤有希略歴

愛知県名古屋市生まれ、日本で一番暑い岐阜県多治見市育ち。カトリック系の南山大学で、アジア学科に在籍して中国語を専攻。2006年に3週間、北京の中央民族大学に短期留学した。現在は上海・浦東のオーストラリア系メガネ類ネット販売会社で、電話・メール・チャットによる日本向けカスタマーサポートおよび英語チャットでのカスタマーサポートを行う。趣味はダンスと国際交流。

 

 

人民中国インターネット版 2010年3月17日

 

 
 
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