太平洋連合館の3つの見どころ 太平洋から上海にやって来たボート  
 

何晶=文

上海万博センターの北、オセアニア広場に正対する青い、多くの熱帯魚が描かれた大きなキューブは、海洋の風情に満ちている。これが、太平洋連合館である。多くの国名が書かれた青い幟がかかる入り口を入ると、正面から目に飛び込んでくるのはさらに色濃い太平洋の島国風情である。広々とした大海原に浮かぶ島国は、かつてこの世と隔絶した汚れない土地であり、今なお清浄な青空と青い海、白い砂浜と色鮮やかな花々を残している。

トロピカルなムードあふれる太平洋連合館 パビリオンでは情熱的なトーテムも見られる

館内は14の太平洋の島国――バヌアツやパプア・ニューギニア、パラオ、トンガ、ミクロネシア、サモア、フィジー、クック諸島、キリバス、ソロモン諸島、ツバル、マーシャル諸島、ナウル、ニウエと南太平洋観光局、太平洋諸島フォーラムという2つの国際機構の環状のブースからなっている。彼らは「太平洋――都市のインスピレーションの源泉」というテーマをいかに解釈するのか? 南太平洋の島国の人々は、そのやさしい笑顔で、独特な島国風情を展示、来場者の魂を清め、リラックスさせてくれる。シンプルな楽しさを分け与え、来場者が求める答えを探し当てさせるのだ。

もし、あなたが南太平洋の島国に行ったことがなく、南太平洋の風情を感じたいなら、ここで記者といっしょに南太平洋の精粋を濃縮した太平洋館を訪ねてみよう。

帆船のデザイン、海洋の風情

南太平洋の島国の住民はかつてボートを操るのが好きで、地球上最大の面積を持つ海のあちこちを漫遊した。そうして目にした世界は見渡す限りのオーシャンブルーだったのだろうか?

そして現在、南太平洋の島国たちは彼らの「ボート」を上海万博に漕ぎ入れた。パビリオン内部全体はやはり青をメインカラーとしており、16の参加国・機構のブース、すなわち16の織物の「帆」を高く張り出した丸木船なのである。各ブースの面積はほぼ同じ、どれも天然の木材で建造されている。各木船の外にはそれぞれに違った風格の模様や図案が飾られており、あるものは綿や麻で編まれた白黒交互の縞模様の図案、あるものは外部を島国の風景と島国の人々の光り輝くような笑顔の図案で直接包んでいる。

ツバルのブース内には個性的な手工芸品の数々が並ぶ

サモアのブースは天然の木質材料で建てられた小型の円形の草葺き小屋で、これはサモアの人々が代々住んできた典型的家屋の複製であり、地元の人は「ファレ」と呼ぶ。円形の小さな草葺き小屋の周囲には何もさえぎる壁がなく、サモアの現地では周囲をむしろで覆い、ただ前顔だけが露出している。これはサモアが1年を通じて30℃以上の高温になるためであり、こうした建築物は熱を逃がす効果を持つのである。

「太っている方が美しい」というトンガ王国は私たちにとって決して見知らぬ国ではない。トンガ王国ブースの入り口は巨石彫刻の石門になっており、上部には巨大なクジラが飾りとして掛けられている。トンガは地理的位置、水温、水深などの主要な条件がザトウクジラの生活ニーズに適しているため、夏と秋の変わり目に、多くのザトウクジラの群れが南極から北上数千キロの苦しい旅をしてここに到達、繁殖と子育てを行う。このためホエール・ウォッチングはトンガ独特の観光プログラムになっている。

 

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