並ばずに楽しめる上海万博  
 

二〇一〇年上海万博日本国家館館長 江原規由

作者
上海万博は開幕以来一カ月を迎えようとしています。五月二十九日の土曜日には一日の来場者数が一気に五十万人の大台に達し、日本館来館者も初の四万人台に乗りました。このところ、人出が急増しており、人気館は長蛇の列で入館まで数時間待ちの状況です。

四十年前の大阪万博、五年前の愛知万博でも同じような状況でした。長蛇の列ができるパビリオンが多いというのは、当の万博がそれほど注目され期待されていることを物語るわけですが、並ぶ側から見れば、大変なエネルギーと忍耐が必要でしょう。

では、あまり並ばずに楽しめるところはないかというと、万博会場内で毎日のように開催されているイベントやコンサートがお薦めです。

ウィークと広場

先日、宝鋼大舞台での「遼寧活動ウィーク」の開幕式に行ってきました。場外では、海城高蹺(色とりどりの衣装に竹馬をつけた男女が太鼓に合わせて踊る勇壮な民間伝統芸能)にはすっかり魅入られてしまい、しばし足を止めて見物しました。宝鋼大舞台で遼寧省と同じような「~ウィーク」を開催する中国の各省・市が少なくありません。宝鋼大舞台で地方色豊かな中国を楽しめると思います。

上海万博会場内の各所にある広場、例えば浦東エリアでは、アジア、市民、太洋洲、欧州、アメリカ、アフリカなど、浦西エリアでは、都市、博覧、総芸、船台など、どこでも連日のようにコンサートや各種イベントが開催されています。また、毎日定時に行われるパレードを見学するのもよいでしょう。このほか、ベストシティ・プラクティス区(浦西エリア、大阪館も出展)を見学すれば、上海万博のテーマである「ベスト・シティ、ベスト・ライフ(より良い都市、より良い生活)」がより身近になるでしょう。会場各所でいつも目を楽しませてくれる何かが行われています。それらを見て「待ち疲れ」をしばし解消するのもよいでしょう。 

ジャパン・デーとジャパン・ウィーク

日本館にもイベントステージが併催されており、毎日、いろいろなイベントが行われています。五月二十九日には一・七万人に入館いただきましたが、待ち時間はほとんどありませんでした。六月には、貼花製作、神戸とジャズ・コンサート、そして日本太鼓、津軽三味線、人形浄瑠璃などの伝統芸能の披露、上海と日本の絆の紹介、などが予定されています。いろいろな視点から日本を紹介しており楽しめると思います。

日本館イベントステージ

 六月十二日には世博センターでジャパン・デー(テーマはつながろう、調和のとれた未来のために)が世博センターで開催されます。これは、並ぶ必要はないのですが、チケットがないと入場できません。開幕式で『昴』を熱唱された谷村新司さんや中国でも知られているアイドル・グループのWIND-Sなどが出演する予定です。ニュースなどで取り上げられ、多くの方の目に留まることを期待しています。

 また、十二日からはジャパン・ウィーク(十八日まで)も始まります。こちらは、アジア広場、イベントステージステージで数々の現代エンターテイメントや日本各地に伝わる伝統芸能が実演されるほか、ゲーム、アニメ、音楽、映画、ファッションなども楽しむことができます。並ばずに楽しめます。ぜひ、お出かけ下さい。

 

人民中国インターネット版 2010年6月13日

 

 
 
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