都市未来館 ── 夢が未来を導く  
 

廃棄された工場施設をリフォームした、まさに環境重視型の都市未来館

データを入力するだけで、食品購入が可能な冷蔵庫、排泄物から人の健康状態を診断する便器など、こうしたスーパーハイテク家庭用品は一体夢か、それとも現実か。しかし、ここ上海万博の都市未来館では、こうした製品は既に私たちの目前に現に存在している。  「夢が人類都市の未来を導く」これが都市未来館のテーマだ。そして、私たちは確かに都市生活が「夢が未来を導き、未来は今、実現されつつある」という現実の中で、絶えず発展進歩しているのを実感する。

どのような都市が一体人類の理想的生活空間なのだろうか。都市未来館に一歩足を踏み込むと、最初に私たちはたくさんの本を積み上げて作った柱、四方に設置された四冊の巨大電子書籍、そこに記載されている中国古代の文献『周礼・考工記』が説く「九州」の概念、そして、ル・コルビュジエ、シャルル・フーリエ、トマス・モアなどが描いた線形都市、光の都市、そしてユートピアなどの理想的モデルを目にする。

その次には、「安定した生活」「ネットワーク」「基本的需要」「機会」「自然」「都市計画」「完璧性」「調和性」「持続的発展」の九つのテーマが書かれた「都市に関するテーマの路」が続く。これらのテーマはまさに都市が今直面している問題であり、私たちは都市に対する夢から現実に引き戻され、これらのテーマについて、各都市の発展経験に則した議論に入る。例えば、かつて混雑がひどかったニューヨークでは、市の中心地に密集していた建築物を取り壊して広い緑の公園へと再開発し、この「都市の肺」は今日のニューヨークに新鮮な空気と快適な環境を提供している。ロンドンでは、市内の発電所などの工業施設を博物館等にリフォームし、工業化から現代化への転換を遂げるこの街により豊かな「人間らしさ」を与えた。都市は如何に発展すべきか。鉄筋コンクリートと自然は如何に調和的に共存共生すべきか。人類は自然界のさまざまなものから自然界の知恵を読み取ることができるか。こうしたすべての問題は私たちに自らの生存空間に対して再考を求める。

都市未来館では、私たちの祖先の理想的都市に対する想いが展示されている

 都市未来館の目玉は「無限の可能性」ホールだ。ここでは、高さ三十六メートルの広々とした空間でアニメーション映画を上映し、そのアニメーションと周囲の環境が一体となって、「花の城」「知恵の城」「水の城」「宙の城」「エネルギーの城」の五つのファンタジーのような未来都市の街並みを私たちに見せてくれる。「花の城」では都市の道路は子供たちの運動場となり、「知恵の城」では人は「一を知れば、十を知る」ような学習方法と装置を有し、「水の城」では都市に流れる河は水上公園となり、「宙の城」では人は空で生まれ育ち、宇宙旅行も可能となり、「エネルギーの城」では自動車が産み出すエネルギーで一つの都市の活動が可能となる。これらのすべてはある一つの思想を表現していて、それは人類の未来都市には、知的な住まい、健康的な地域コミュニティ、低炭素的消費生活、調和の取れた環境が揃っているということだ。

館内にはこんな解説の一文が掲示されている。「未来都市の建設。それは人類が古代より絶えず追い求め、築こうとしてきたバベルのような理想的社会を作ることだ。人類は、お互いに信頼し、協力し、調和の取れた発展を目指すのであれば、必ずこの理想的未来都市バベルを完成できるはずだ」

 

人民中国インターネット版 2010年6月25日

 

 
 
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