環境先進都市・水都大阪の挑戦  
 

――上海万博大阪出展実行委員会プロデューサー・橋爪紳也氏

王衆一 賈秋雅=聞き手

上海万博大阪出展実行委員会プロデューサー・橋爪紳也さん。1960年大阪生まれ、京都大学大学院工学研究科修士課程修了、大阪大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。日本の著名な建築学家、作家。『モダン都市の誕生』など著書多数(撮影・賈秋雅)

――「水都」をテーマにベストシティ・プラクティス区に出展する大阪館は、観衆にどのような理念を伝えたいのでしょうか?

昔から大阪の都市建設は環境保護の精神に富んでいました。大阪は川の下流域に位置しており、水と共生してきた都市です。大阪館は「水都」をテーマに、大阪の「人と水が調和して暮らす」という考えを表しています。

――四十年前、橋爪さんは大阪の少年としてアジア初の大阪万博をご覧になり、四十年後、大阪の科学者として上海万博に大阪館をもたらしました。二つの万博は橋爪さんにとって、どのような意味を持つのでしょうか?

万博が見せてくれるのは世界であり、世界に向かう扉です。「世界ってこうなんだ」と、当時大阪万博は私にこの上ない驚きと喜びをもたらしました。子どものころ、私は大阪万博からたくさんのものを学び、それから今日までずっと万博にかかわる仕事をしたいと思い続けてきました。上海の子どもたちにも、当時の私と同じように上海万博から喜びと感動を味わい、そこから何かを得てほしいと思います。

――万博は都市の発展に対してどんな意味を持つのでしょうか? 大阪万博は世界に多くの先進都市の理念を提示しました。上海万博は世界にどんな貢献ができるでしょうか?

万博は一つのテストの場です。電子情報掲示板などの情報処理方式は、大阪万博でテストの場を得ましたし、動く歩道も大阪万博で登場した新しい発明でした。これらの新しいものはみなその後社会生活に応用されました。万博は現実の問題を解決する臨時の都市です。上海万博は現在、毎日数十万人を迎える期間半年の試験型都市なのです。例えば、電動バス、LED照明、太陽エネルギー発電などはみな上海万博で検証の機会を得たものであり、今後都市問題の解決に役立つはずです。ほかに、建築設計、映像技術などの分野での新しい理念も上海万博で誕生することが期待されます。大阪万博はかつて多くの新しい世代の芸術家やデザイナーを育てました。私は、上海万博を経験した若者が今後さまざまな分野で世界に輝くと信じています。

――同じアジアに属する上海と大阪は、三十年以上に及ぶ友好関係を持つ姉妹都市であるだけでなく、昔から多くの類似した伝統や考え方を持ってきました。万博は、二つの都市にとって何を意味しているのでしょうか? 万博は、アジアに対して何を意味しているのでしょうか?

上海は大阪と同じように万博の記憶を持つことになり、これは今後の二つの都市の友好関係をさらに発展させるでしょう。大阪万博のテーマは「人類、進歩、調和」で、欧米などの「進歩」中心の万博テーマと異なり「調和」の重要性を強調しました。これは上海万博の「より良い都市、より良い生活」及び中国の「調和のとれた社会」と期せずして一致します。西洋では「進歩」を強調し、東洋では「循環」を重視します。時代は変わっていますが、ある種の価値観と思想は不変です。今後、大阪と上海、日本と中国は世界に向けてより多くのアジアの価値観を伝えていくでしょう。

 

人民中国インターネット版 2010年7月2日

 

 
 
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