ASEAN外相が参加する一連会議、間もなく開催

 

ASEAN・東南アジア諸国連合の第43回閣僚級会議、ASEAN-中国閣僚級会議、ASEAN―中日韓閣僚級会議、東アジアサミット開催に備えた閣僚級会議とASEAN地域フォーラムなどが、ベトナムの首都ハノイで相次いで行われます。

今回の一連会議は主にはASEAN共同体の構築について協議されます。

ASEAN議長国であるベトナムの外務省によりますと、20日に行われるASEAN外相会議では、ASEAN共同体の構築を加速させ、ASEAN憲章の実施を促進するため一連の措置が打ち出されます。また、ASEAN機構の発展を目指し、ASEAN諸国間のコミュニケーションを強化していくのです。そして他の一連の会議で、加盟各国の外相は、ASEAN諸国の対話国である中国、日本、韓国との協力について討議するほか、地域フォーラムの効果を強化し、自然災害、経済回復、気候変動、環境保全、海事安全システム、食糧の安全及びエネルギー問題の対応について協議します。このほかこの地域の経済の持続的な回復と経済発展に必要な措置について討議も行います。さらに、11月に韓国のソウルで開かれるG20サミットに備える協議も行なわれます。もちろん共に関心をもつ国際問題と地域問題についての意見交換を行います。

これらの多くの議題のうち三つの議題が注目されています。一つ目は、ASEAN共同体の構築です。2008年の12月「ASEAN憲章」が発効し、2015年にASEAN共同体を構築することがを定められました。これには、政治安全保障共同体、経済共同体及び社会文化共同体といった三つの分野が含まれています。これら共同体の構築には各国間の連携が必要です。いまのところASEAN各国は、道路と鉄道の連結を促しています。このためASEANエネルギー相会議では送電線の連結問題が協議されましたが、連結実現には中日韓などの対話国支持も欠かせません。

二つ目は、「東南アジア友好協力条約」の修正です。「東南アジア友好協力条約」はASEAN諸国が1976年に最初の首脳会議で調印したものです。この条約の趣旨は、この地域の各国間の国民の永久的な平和や友好と協力を促進し、各国の実力、団結力と各国間の密接な関係を強めていくことです。1998年にASEAN諸国の外相は条約に修正についての議定書に調印し、この修正によって東南アジア地域以外の国や機構もこの条約に加入することができるようになりました。こうして中国は始めてASEAN以外の国としてこの条約に加入しました。現在この条約に加入した国の数は16に上っています。また、今回の修正によって、国際組織がこの条約に加入することができると予測されています。ですから今後、EUが国際機構としてこの条約に加入する可能性があります。

そして、第三は、朝鮮半島の核問題が改めてASEAN地域フォーラムにおける焦点になったことです。ASEAN地域フォーラムは1994年成立し、今は27のメンバーがいて、この地域では規模がもっとも大きく、影響力の一番大きな政府間の多角的な政治と安全保障に関する対話と協力のルートとなっています。そして朝鮮半島の核問題を協議する6ヵ国協議のメンバーである中国、アメリカ、ロシア、日本、韓国と朝鮮はフォーラムの参加国となっています。また、今回の一連の会議には、アメリカのクリントン国務長官、朝鮮の朴義春(パク・ウィチュン)外相も参加します。ある関係筋は、朴義春外相はクリントン国務長官と会談を行うだろうと予測しました。また韓国政府の関係者はこのほど、今回のASEAN地域フォーラムで、「天安」号事件で朝鮮を非難する声明の採択を求めていることを明らかにしました。ですから、ASEAN地域フォーラムでは韓国と朝鮮の外交的な対決が見られるかもしれません。

 

「中国国際放送局日本語部」より 2010年7月19日

 

 

 
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