ハンブルクからやってきたボランティア  
 

沈暁寧=文 王浩=写真

張瑞蒙さんに会ったのは、上海万博Eゾーンのハンブルク・ケース館の中である。この20歳の若者は、ここでボランティアの仕事をしている。「僕はドイツ生まれで、ドイツ国籍だけど、両親は中国人です」と彼は言った。

去年、張瑞蒙さんが高校を卒業したころ、上海万博でボランティアを募集しているというニュースを父親から聞いた。ちょうどよいことに張さんが住んでいるハンブルク市も上海万博で、環境保護型省エネ住宅を展示しようとしていた。そこで、中国語とドイツ語の分かる張さんは、無事ハンブルク市の審査を通り、上海万博のボランティアの一人になった。

観光者に観光用のIDカードを配っている張瑞蒙さん

今年4月30日、上海万博が開幕し、張さんもその日、万博会場でメディアに登場した。彼はハンブルク・ケース館に配属され、来場者の案内をすることになる。「入り口に立って、来場者にIDカードを配ったり、階段の曲がり角や部屋の隅に立って、来場者の疑問に答えたり、みんなの手助けをしています」と自分の仕事の内容を紹介した。彼の仕事はそれほど難しくはないが、それなりに大変である。なぜかといえば、仕事が始まれば、6時間立ち通し。その間、わずか30分だけ食事休憩を取ることができる。「一日が終わると、疲れたなと感じます。一カ月の休みは六日だけです」張さんは笑って言う。

張さんのボランティアサービス期間は2カ月である。この期間中、彼は上海の友人の家に住み、二時間以上かけて毎日バスと地下鉄で往復する。「上海の物価はけっこう高くて、ハンブルク・ケース館から毎月3000元の手当てが支給されますが、やはり足りません」と彼は言う。仕事でどんなに疲れても、生活が不便でも、張さんのボランティア魂に影響はない。万博に関わり、多くの人と交流できることは、得がたい鍛錬の機会だと彼は考えている。

現在、上海万博には7万2000人の会場ボランティアと10万人の都市ボランティアがいる。1075のボランティアサービスステーションの中に、290人の外国人ボランティアがいる。彼らは中国人ボランティアと一緒に、誠意をこめて、来場客に専門的なサービスを提供している。そのうちの一人として、張さんは楽しんで自分の持ち場を担当している。この絵画と撮影が好きなドイツ国籍中国人の若者は、サービス期間が終了すれば、ドイツに帰って、再び大学に通う。しかし今はただ、どうすれば上海万博のボランティアの仕事をやり遂げることができるかということだけを考えている。

 

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