国連気候変動会議中国団長、「COP16の成功を促したい」

 

中国北部の都市・天津で開かれている国連気候変動大会の特別作業部会に、「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」の194の締約国、オブザーバー、国連の関連機関、政府間組織とNPO組織から3000人が参加し、世界の気候変動について議論しています。中国代表団の団長を務める国家発展改革委員会気候局の蘇偉局長は、「関係各方面に多くの食い違いがあるものの、天津会議は年末にメキシコのカンクンで開かれるCOP16の主な交渉内容を確定し、カンクン大会の成功に良い基礎を作り上げる」と語りました。

 去年12月、デンマークの首都コペンハーゲンで行われたCOP15で、法的拘束力のある協定が結ばれず、バリー・ロードマップへの期待が薄くなりました。これについて、蘇偉団長は「気候変動問題は依然として国際社会の注目を集めている。過去20年、気候変動交渉の中で、EU(欧州連合)、77ヵ国グループ、小島嶼諸国グループ、後進国グループなど、各集団の利益が複雑に交わり、それぞれの訴えも違う」と述べた後、さらに、「天津会議の主な任務は、カンクンで開かれるCOP16に、バリーロードマップのあらゆる進展を均衡的かつ全面的に表す協定を作り上げることだ。関係各方面の関心や訴えが異なるため、この協定は非常に複雑になるだろう」と語りました。

 2007年のバリー会議で、先進国は自ら温室効果ガスの排出量を減らす一方で、発展途上国に資金援助と技術移転などの協力提供を約束しました。また、去年、コペンハーゲンのCOP15で、先進国は2010年から2012年まで、毎年300億ドルの特別資金を用意して、発展途上国の気候変動への対応に協力すると承諾しました。しかし、現在、資金提供と技術移転は先進国と発展途上国の主な食い違いになっています。これについて、蘇偉団長は、「先進国が発展途上国への資金援助を確実に履行できるかどうかは、カンクン大会の成否を決めるカギだ」と語りました。蘇偉団長は、「300億ドルの資金援助はカンクン大会の成功かどうかに直接関わり、先進国と発展途上国の信頼回復にも重要な役割を果すだろう。カンクン大会で資金援助の履行について実施可能な計画を策定してほしい」と語りました。

 年末にカンクンで開かれるCOP16の最後の作業部会として、天津会議はCOP16が順調に行われるかどうかに直接関わっています。これについて、蘇偉団長は、「最終的な結果は発展途上国によって決められるものではなく、先進国が誠意を持っていれば、目標達成の可能性は大きい」との考えを示し、さらに、「資金援助も技術移転も大きな問題ではなく、セロ排出や植樹造林、森林管理の強化による排出削減などでも一部の共通認識が達成できると思う。ただし、先進国が誠意を持っていさえすれば、進展が遂げられ、交渉に成果を上げるだろう」と語りました。

 もちろん、気候変動交渉は複雑で、一度や二度の会議ですべての問題解決は無理でしょう。カンクンで開かれるCOP16を楽観視する一方、交渉にはまだ長い道のりがあり、まだまだ時間がかかりそうです。

 

 

中国国際放送局日本語部より 2010年10月6日

 

 
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