解振華:実際の行動で気候変動の国際交渉を促進

 

中国国家発展改革委員会の解振華副主任は8日、気候変動問題に関する国際交渉と中国の省エネ排出削減についてインタビューに答え、「気候変動問題への対応においては全世界の協力の下、各国が能力に応じて役割を果たし、小異を残して大同に就き、ともに努力して交渉の進展を推進し、一日も早く目標を実現すべきであることを主張する」と述べた。

昨年末のコペンハーゲン会議(COP15)では最終的に法的拘束力のない政治合意が結ばれ、長期目標・資金・技術移転・透明性などについてのコンセンサスが反映された。しかし一部の発展途上国はコペンハーゲン協定に同意していない。一部の国家は、この協定の形成過程は不透明で、幅広い参与とコンセンサスの原則が体現されていないと見ているからである。

中国は気候変動問題に関する国際会議の開催を自ら進んで引き受けることで、実際の行動によって国連の気候変動問題に関する国際交渉を支持し、積極的かつ建設的な役割を果たすことを表明した。しかしながら、我々はこの会議の開催国に過ぎず、主な役目は後方支援をしっかりと行って、交渉の環境を整えることである。

国連の気候変動問題に関する国際交渉の最大の障害は、国家間の相互信頼が欠けていることである。交渉が実質的進展をみるためには、各国が強い政治的意思を持ち、それを実際の行動に変えて、行動の中で相互信頼を築いていく必要がある。

各国、各利益集団の間に相互信頼を築かなければならない。相互信頼を築くためにまずやるべきことは、先進国ができるだけ早く短期資金支援を実行することだ。このほか、基本的にコンセンサスを得た問題、例えば技術移転や森林問題、発展途上国の適応能力を高める援助なども実行に移すべきである。行動があってこそ、相互信頼が確立され、交渉が進展し、法的拘束力のある協定を結ぶことができるのである。

国連気候変動枠組み条約に関する天津会議とカンクン会議では、各締約国は「バリ・ロードマップ」の権限を堅持するとともに、「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」の2つの枠組下での交渉を堅持しなければならない。これは合法的なルートである。議定書作業部会と条約作業部会は公開・透明・幅広い参与の原則の下、交渉を行い、各国の溝を埋めて、共通認識の拡大を図る。

具体的に言うと、条約作業部会は溝をさらに埋めて、検討案をより簡素化する。議定書作業部会は現在の議長案に基づき、締約国主導の交渉案をまとめる。この2つの案に関する交渉が進展すれば、カンクン会議にすばらしい基礎を打ち立てることができるだろう。

カンクン会議の目標は有限であるべきで、各国は会議の結果に実務的な態度で対応しなければならない。

先進国は中国に対し温室効果ガスの排出量上限を設けるよう求めているが、中国は一連の省エネ排出削減措置を取っており、国内総生産(GDP)単位当たりの二酸化炭素排出量は減少している。確かに排出総量は増えているが、このような状況は理に適ったものであり、条約でも認められている。

中国は発展途上の国であり、経済を発展させ、貧困をなくし、民生を改善し、環境を保護する必要があるため、工業化と都市化の過程で温室効果ガスの排出量の合理的増加は必然といえる。ただし、先進国が工業化の過程で制限なく排出していたようには決してしない。1人当たりGDPが4万ドル以上に達しながら、温室効果ガスの排出総量はいまだ増加している先進国もありながら、1人当たりGDPがわずか数千ドルの中国に、温室効果ガスの排出量上限を設け、それを迅速に達成するよう求めるのは、情理に合わないことである。

中国は一部の先進国のように、1人当たりGDPが4万ドルに達してからようやく排出量上限を設けるというようなことは決してしない。1人当たりGDPが3000ドルに達したら措置を講じ、二酸化炭素排出を削減していく。中国は全人類の生存と長期的な発展のために、積極的な努力を続け、できるだけ早く上限を定めるつもりである。当然、全世界や発展途上国が温室効果ガスの排出量上限を設ける時期は先進国が提供する資金と技術支援のいかんにかかっている。先進国の資金や技術の提供が早ければ早いほど、上限設定の時期も早くなるのだ。また、全世界の温室効果ガス排出量の上限値は、先進国がどれだけ率先して温室効果ガスを削減するか、その程度にかかっているのである。

「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」によれば、歴史的原因と責任により、先進国には発展途上国に資金や技術を提供し、発展途上国が気候変動に対応する能力を高め、気候変動を緩和し、これに適応するのを助ける義務がある。

中国が後発優位性を発揮するためには、持続不可能な発展モデルを変える必要がある。このため、中国はグリーン経済の発展、循環型経済の発展、低炭素技術を利用した従来型産業の改良を打ち出し、できるだけエネルギーの利用効率と資源の生産効率を高め、発展・消費モデルを転換して、経済構造・産業構造・エネルギー構造を調整していく。こうしてこそ、中国の経済発展は持続可能になるのである。

我々の省エネ排出削減は自身の経済発展・自身の需要から発生していると同時に、当然、国際的な気候変動問題への対応の潮流にも一致している。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月11日

 

 

 
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