葛氏旧居

文・写真=于文

葛氏旧居は、江蘇省宜興市丁蜀鎮華都小区北中荘村6号にあり、2009年5月、宜興市人民政府により市レベルの重要文化財として指定されました。 

葛氏旧居は、丁山で陶器の製造・販売業を営んでいた葛家の邸宅で、清の咸豊年間に建てられたもの。建物は南向きで、南北に3棟が連なります。葛逸雲の父、葛誠斎は「葛徳和」の屋号の創始者であり、葛氏の4代は、初期の窯元からのちにはその他の商業にも手を広げ、上海において不動産投資も行いました。彼らはまず丁山において製陶業とその販売業を手がけ、続いて上海に店を構え、「葛徳和」と称しました。後には上海の旧市街の北門に九ムー(1ムーは、約6.667平方メートル)の土地を購入し、20数軒の店舗を建て、うち3軒分を陶器店とし、残りを貸し店舗としました。 

現在も、葛氏の家族は、旧居のなかに住んでいます。けれど、時代の流れにつれ、葛家の旧宅の構造にも大きな変化が起きています。旧宅のなかの家族に引っ越してもらいかつての姿を回復し、歴史的文物として保護するべきだろうか?あるいは現状を維持し、葛氏の子孫たちの生活をそのままにしておくべきか? 旧居の住人たちは、先祖代々からのすまいは本当に離れ難い、と言います。一方、一部の人々は、葛氏の住居は、単に葛家の財産であるだけでなく、より多くの人の財産になるべきである、と。政府の管理下、修繕と保護が進められるのであれば、旧居にとっては好ましいことであるといえるでしょう。

葛家の人々は、とても親切です。早朝、撮影にいくと大門の建物のところで家族のなかの年配の男性に遭遇しました。彼は記者のカメラを下げた様子をみて、よその土地から来た観光客だとみなし、案内をしようと申し出てくれました。そして記者を連れてこの地方独特の集合住宅のなかを巡り、解説してくれました。ただ残念なことに彼の宜興方言が記者は一言も聞き取れませんでしたが、もてなし好きの彼に深く感謝したいです。宜興の人々のおおらかさ、親切さに記者は感動させられました。

 

 
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