毎年の春節の前後、莱西「糨模人」民間芸人・李澤志の家はもっとも賑やかになる。近所の大人、子供はみな名を慕って訪れ、その目的は李澤志の新しい作品の鑑賞である。さまざまな表情の市井の小人物や、動物の泥人形は、色彩が鮮やかで、形が細やかな虎の像や、起き上がりこぼし、神仏像などは人々に愛されるものとなっている。
「これらの泥人形は、膠東半島では、ただ私の家だけに代々伝えられたものです」と38歳の李澤志さんはいう。
李澤志さんは煙台の莱州から移民として西水道村にやってきた娘婿である。泥人形の手業は、柳澤志さんに伝えられ、すでに第三代とある。泥人形の形が精緻で美しいため、多くの人に愛され、膠東一帯の庶民は、こうした泥人形を温かく優雅な「糨模人」という別名で呼んでいる。
泥人形の継承に関しては、厳格な家訓がある、それぞれの代の人間がかならず前代の基礎のうえに二つ以上の新しいものを創造しなくてはならない。それは泥人形の継承に役立つだけでなく、種類が豊かになる。
李さんの家では、例えば神仏などの泥人形の「型」が幾つにも分かれているのを見ることができる。李さんは、「こうするとさらに難しくなり、作る時にさらに細かさが必要とされます。制作の技術が厳格になれば、出来上がるものがさらに精緻に美しくなります。もちろん、一つの型で作るのに比べ、塑像がさらに生き生きとします。一つの作品を作るのに、数日がかかります」という。
最近、李さんは、専門学校の設立を準備し、学生を募集している。「民俗文化はみんなのものです。泥人形を普通の人々の暮らしに溶け込ませ、この芸術、技術を伝え、新しいものを創造できれば望むところです」と李さんはいう。(呂文波 趙涛)
人民中国インターネット版 2011年3月1日
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