注目を集める寧夏ソーラー産業

 

孫雅甜=文・写真

寧夏は太陽光エネルギー資源が豊富で、太陽の放射量は年平均で1平方㍍あたり4950から6100メガジュール、年間日照時間は2250から3100時間と、中国でも最も太陽光資源が豊富なエリアの1つとなっている。これは、ソーラー産業の発展に絶好の条件を提供している。

ソーラー産業のマーク

太陽エネルギーは「取っても取り尽せない、使ってもなくならない」グリーンなエネルギーで、ソーラー産業の発展は、世界のエネルギー危機に対応し、環境圧力を軽減し、持続可能な発展を実現する重要な道筋だ。中国はまもなく「新エネルギー振興及び発展規画」を発表し、2020年には中国は新エネルギー分野での投資総額は3兆元とする計画だ。このような背景のもと、中国の5大電力企業(大唐、華電、国電、中電、華能)は、青海、甘粛、寧夏、内蒙古などの西部地区を調査と土地確保のために駆け回り、競ってソーラー産業の発展を目指している。中国のソーラー産業は2004年から急速に成長しており、連続5年間成長率100%以上を続けている。また、中国はすでに太陽電池製造、多結晶シリコンなどのキーテクノロジーを確立し、2007年から連続4年、太陽電池の生産で世界をリードしている。2010年、中国の太陽電池生産量は世界全体の50%を超えており、現在数十社のソーラー企業が国内外で上場している。

寧夏は、ソーラー産業の発展に最もふさわしいエリアの1つとして、多くの投資家の注目を集めている。現在すでに寧夏発電グループの太陽山太陽光発電所、華電寧夏寧東太陽光発電所、寧夏中節能石嘴山太陽光発電所など多くの発電所がすでに建設され、シリコン材料、シリコンチップ、電池チップ、電池モジュール、アプリケーションシステムなどを含むソーラー産業チェーンの整備が日に日に進んでいる。

すでにソーラー産業集中エリアを形成しつつある石嘴山市では、業界をリードする企業が5つの太陽エネルギー関連プロジェクトを進めている。江蘇陽光、浙江正泰、中節能、国電グループ、無錫尚徳など大型企業が続々と投資し創業しているのだ。平羅県石嘴山市の国電グループの50メガワットのグリッド接続型太陽光発電所プロジェクトもそのうちの1つだ。これは、寧夏国電アトスエネルギー開発公司が平羅県に12億5000万元を投資し、平羅工業パークに3期分けて建設するもので、1期10メガワットのプロジェクトは2010年に完成し、すでに稼働している。

国電平羅ソーラー発電第1期10メガワットのプロジェクト

国電平羅ソーラー発電所の劉耀輝所長によると、1期10メガワットのプロジェクトに対する投資は1億8000万元で、面積は約27ha。主要モジュールはすべて国産で、発電された電力は主に周辺の農家に供給されている。発電所全体は基本的に自動化管理が実現しており、現在は5人の作業員が日常のメンテナンスを行っているにすぎない。「私たちは地方政府による政策上の大きな支持を得ており、この敷地全体が無償で提供されたものです」と、劉所長。

しかし、劉所長にも悩みはある。発電所は昨年7月に発電を開始以来、赤字経営が続いているのだ。「現在、私たちがいただく電気料金は1kW時あたり0.2元ですが、これまでの投資に照らして計算すると、1.1元が採算ラインです。でも仕方ありません、国家の正式な売電価格が示されてないのですから」このとまどいは、中国の多くのソーラー企業が直面している問題でもある。国家発展改革委員会が直近に売電価格を公布したのは2010年4月で、寧夏の4つのソーラー発電プロジェクトの臨時売電価格を承認したが、1000キロワットあたり税込み1.15元だった。すでに運用を開始しているソーラー発電所は、、売電価格が決まらないため電力ネットワーク企業との間で電力を精算できず、赤字経営を余儀なくされているのだ。国家発展改革委員会の価格決定は遅々として進まず、ソーラー産業発展のボトルネックとなってきた。しかし、企業は赤字経営のリスクを冒してもソーラー発電所の投資建設を行い、地方政府は全力でソーラー産業の発展を支持している。つまりソーラー産業発展の長期的な将来性を見ているのだ。

ソーラー発電所の操業開始は多くの多結晶シリコン、電池モジュールなどを含む製造業の立地をうながす。これは地方のGDPを押し上げ、就業機会を創出するなど大きな意義を持つ。寧夏では、多くのソーラー発電所の建設・操業開始に伴って、国電寧夏太陽エネルギー公司、寧夏陽光シリコン公司、寧夏発電グループなどソーラー設備製造企業が続々と進出している。

「国電グループは、将来のソーラー事業の発展計画を寧夏に定めました。今年4月1日、私たちは寧夏中衛市建設の10メガワットプロジェクトはすでに正式運営発電をスタートさせました。今年の目標は、中衛市にもう1つの20メガワットのプロジェクを、平羅の第2期20メガワットのプロジェクトをスタートさせることです」劉所長は「国電グループ以外にも、多くの電力企業が寧夏のソーラー産業に投資しており、みな目先の利益ではなく、長期的な発展への見通しを持っています」と話している。

 

人民中国インターネット版 2011年4月29日

 

 

 
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