トピックス 革命史跡の旅 時代とともに 党員は語る 関連資料 その時 リンク
検索
 
中国発展の奇跡の「道」

 

過去30年間、中国の急速な発展に世界は注目してきた。過去3年間、中国は世界金融危機対策において計画通りに事を運び、他国と対照的に良好な経済を保った。他国と比較してみると、中国の発展の奇跡は決して偶然や運のみによるものではなく、その「道」があることがわかる。(文:胡鞍鋼?清華大学公共管理学院教授、国情研究センター主任。「人民日報海外版」コラム「望海楼」より)この「道」は複雑でも神秘的でもなく、相当簡明で自然の流れに沿ったものだ。

まず過去30年間を見てみよう。世界銀行と国連開発計画の統計によると、1978-2008年に世界168カ国?地域中、経済成長の最も速かった20カ国?地域のうち、五カ年計画を実施しているのは13カ国?地域あり、中でも上位10カ国?地域では8カ国?地域が五カ年計画を実施している。このうち中国は成長率が最も高く、人間開発指数の上げ幅も最大だ。

これは決して歴史の偶然ではないし、世界の偶然でもない。トウ小平氏が述べたように計画と市場はいずれも経済手段だ。五カ年計画という「見える手」を運用して、公共サービスを提供し、人類の備えに投資し、社会進歩を促すと同時に、市場という「見えざる手」を運用して、国内外に市場を開放し、競争メカニズムを取り入れ、経済成長を促す。中国の奇跡を理解する1つの鍵がこれだ。

次に過去3年間を見てみよう。われわれが4つのマクロ経済指標(経済成長率、失業率、インフレ率、財政赤字の対GDP比)を基に、世界金融危機における20カ国?地域のパフォーマンスを評価したところ、中国は経済成長率が最も高かったのみならず、最も多くの雇用を創出し、財政赤字の対GDP比も最も低かったことがわかった。中国は主要マクロ経済調整目標を達成し、経済?貿易?科学技術においていずれも世界第2位に浮上した。

なぜ中国は世界金融危機に比較的うまく対処できたのか?これにはどのような深い意味があるのだろうか?どのような重要なノウハウがあるのだろうか?

私は中国を「東方の巨人」に喩える。この巨人にはまず政策決定の「頭」が1つある。つまり中国共産党と国務院だ。党中央と国務院は正しい重要政策を迅速に打ち出すことができる。08年11月に国務院常務会議は包括的景気刺激策を打ち出した。中央経済工作会議はこれを正式に承認し、全人代は政府活動報告を正式に承認した。

次に、この巨人には「2本の手」がある。手は1本しかないよりも2本あるほうが常に良いものだ。それが政府という有形の手であれ、市場という無形の手であれ、2本の手を併用し、相互補完・協調し、2つの強みを活用し、2つの役割を発揮することができる。投資を例に取ると、2009-10年の政府投資額は4兆元だったが、これはその10倍以上の非政府投資を促し、この2年間の全社会固定資産投資額は累計50兆3000億元に達した。これによって中国経済の一歩先んじた回復と急成長が確保された。

また、この巨人は「2本の足」で歩んでいる。足は1本しかないよりも2本あるほうが常に速く、安定して歩けるものだ。国有経済という足だけでなく、非国有経済という足もある。国内企業という足だけでなく、外資企業という足もある。

最後に、この巨人は「2つの積極性」に依拠している。積極性は1つしかないよりも2つあるほうが良い。中央の積極性だけでなく、地方の積極性も発揮し、両者の積極性を融合することで、力を結集して大事にあたるという社会主義の優越性を発揮している。公共サービスや公共投資であれ、各種の災難の処理や危機への対策であれ、「一方が苦難に直面すれば四方八方から支援がある」を実行し、全国の力を挙げて、大事業を興すことができる。

世界金融危機対策における中国の成功は国内外の学者に再考を迫った。米国の学者、フランシス・フクヤマは先日中国を称賛し「中国の金融危機対策の成功は、重大、複雑な政策を迅速に打ち出し、かつこれを効果的に実行することができる、その政治体制の力に基づくものだ。少なくとも経済政策の分野ではそうだ。これと対照的に米国は危機に効果的に対応する体制を備えておらず、融通の利かないものへと変わっている」と指摘した。

 

「人民網日本語版」 2011年4月25日

 

 

 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850