手を携えアジアの繁栄を

 中日両国は同じ東アジアに位置し、政治的、経済的にアジアで重要な国家です。共同でアジアの安定、繁栄に力を尽くすために、両国にはどのような地域協力のコンテンツがあるでしょうか?また、これらは未来の中日関係の発展にとって、どのような意義を持つのでしょうか?

 現在、欧州は深刻な債務危機に陥っており、国際金融市場の動揺が続き、先進国の経済は回復力に欠けています。今年の世界経済情勢は、全体的に依然、非常に厳しく、複雑です。こうした背景の下、中国と日本が世界の第2、第3の経済体として、手を携えて危機に対応し、互恵協力を強めることは、両国それぞれの発展にとっても、アジアや世界の経済成長にとっても、さらに重要な意義を持っているのです。

2011年10月、韓国訪問の際、ソウルにある中日韓三国協力秘書処を見学する唐家璇氏。右から2人目が申鳳吉秘書長(写真・肖千)

この面においては、財政経済の協力が1つの重要な手がかりです。昨年末、野田首相が中国を訪問した際、双方は両国の金融市場の協力を強めることについて5点の共通認識に達し、広範な注目を集めました。これは中日両国の金融協力が重要な一歩を踏み出したことを示しており、多くの面で重要な意義を持っています。それは、両国の経済貿易関係を深化させる上で有利であるばかりでなく、それぞれが外部からの危機に抵抗する能力を高め、地域と世界の金融の安定を保つのにも有利です。双方はできるだけ早く、こうした共通認識を実行に移し、一歩一歩、協力の分野を拡大し、協力の水準を高めなければなりません。

中国と日本はアジア最大の2つの経済体です。「一山、二虎を容れず」(両雄並び立たず)、「中日はアジアで必ず覇を競う」と考える人もいます。これは明らかに狭隘で、時代遅れの考えです。アジアの一体化建設が盛んに発展し、アジア人民の前途と運命が密接につながっている今日、地域一体化のプロセスの中で、中日両国の利益の融合は絶えず深まり、協力の余地は引き続き拡大しています。昨年、中日双方は、情勢の発展の需要に応じて、東アジア自由貿易区と東アジア全面経済パートナーシップ建設を加速するという提案を共同で提出し、手を携えて東アジア地域の協力を推進するという重要で積極的な情報を発し、この地域の各国から広く歓迎されました。今後、双方は、地域協力の未来の枠組みに関連する重大な問題で、さらに意思疎通と協調を強め、同時にそれぞれの優位性を発揮し、地域の金融協力を実務的に推進し、アジアネットワーク、メコン川流域地域(グレーター・メコン・サブリージョン)の開発などの面で具体的な協力を展開し、絶えず両国の共同利益を広く開拓しなければなりません。  

アジア一体化協力のプロセスの中では、中日韓3国の協力がカギです。中日韓3国は東アジア最大の経済体で、3国の経済総量は東アジア経済の約90%を占めています。3国が協力を強化することは、3国それぞれの発展と、東アジア経済との一体化を発展させるプロセスへの影響が大きく、その意義は重大です。現在、中日韓の協力は重要なチャンスに直面しています。今年、中日韓3国は自由貿易区の交渉を始め、投資協定に調印する見込みです。われわれは3国がともに努力して、こうした目標が順調に実現できるよう希望します。

 

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