パンダ以外に 見どころ多数

 

四川省は中国内陸部の南西に位置し、古来より「天府の国」という美名で知られている中国の国宝であるパンダの故郷だ。この地には非常に豊かな自然のみならず、人文景観そして観光資源も省内で広く分布している。またおのおのの観光名所には特色があり、中国国内で観光資源が最も豊富な省の一つだ。

豊富な世界遺産

現在、四川省では五つの名所が世界遺産として認定されている。まるで童話の世界のように鮮やかな彩りを奏でる九寨溝、独特のカルスト地形と多様な動植物の生息地の両方を擁する黄龍そして国宝であるパンダの生息地、これら3カ所は世界自然遺産として登録されており、青城山及び都江堰は世界文化遺産、また峨眉山及び楽山は自然と文化両方の世界複合遺産として登録されている。現在、中国国内で最も種類が豊富かつ国内最多の世界遺産を有しているのは、四川省というべきだろう。

加えて四川省には、「人・生物圏保護ネットワーク」に登録されている自然保護区が4カ所、国家級風景名勝区が21カ所、国家級自然保護区が19カ所、国家級地質公園が12カ所、さらに中国歴史文化名城が7カ所ある。

四川省はさらに多種多様な無形文化遺産を有しており、漢民族、チベット族、チャン(羌)族、イ(彝)族、などのさまざまな民族が生活を営んでおり、それぞれの民族による祝賀行事が一年を通じて行われる。毎年1月西暦の新年から始まりチャン暦の新年、イ暦の新年そしてチベット暦の新年を迎え、四川では冬中ずっと新年を迎えるにぎやかな雰囲気に包まれる。

元宵節の灯籠祭りや縁日そしてチベットの芝居など、新年のイベントは枚挙にいとまがない。6、7月になると川西高原もようやく春を迎え、人々は草原で競馬大会やチベット神山の巡礼などを行い、自治州の勇壮な騎手たち「康巴漢子」が美しく着飾って観客を迎える。

秋になると、大涼山でイ族の伝統的な祭りがあり、人々は{かがりび}篝火を囲み輪になって座り、豊作の秋を共に喜ぶ。観光客は一年のどの時期に訪れても、豊富で多彩な民族の風情を味わえる。

快適な庶民の生活を味わう

四川は気候が温暖で産物が豊富な上に、中原(黄河中、下流地域)戦乱の影響をほとんど受けなかった。古代より農耕文明が生活を豊かなものにし、省内の大通りから路地に至るまで、快適でのんびりとした雰囲気が漂っている。成都市の錦里や寛窄巷子などでは、茶屋やバーが街中にひしめき合っており、人々は街角で座って世間話や商談をしたり、マージャンや牌九(地元のカードゲーム)に興じたり、時にはただ座って庶民の生活風景を眺めたりしながら、のんびりと一日を過ごしている。四川人のゆっくりとした生活リズムは、まるで溶鉱炉のように、じわじわと各地から訪れる人々を静かでのんびりとした生活ムードに引き込んでいき、人々の慌ただしいペースも徐々に緩み始める。

四川人は生活を楽しむ術を心得ており、それは地元の美食、とりわけスナックや軽食に表れている。辛い物が大好きな人には、火を吹くほど辛い涼粉(ところてんのような食べ物)をお勧めしたい。涙が出るほど辛いが、食べた後は非常に心地よくなるという。甘い物が好きな人には頼湯圓(白玉入りの汁粉のような食べ物)がある。柔らかくて香りも甘く、非常に美味な一品だ。肉が好物の人には、灯影牛肉(紙のように薄く切った牛肉で作られた食品)を味わってもらいたい。歯ごたえがあり、甘味に加えて唐辛子の辛さと山椒のしびれる辛さがうまみを引き出している。少数民族の郷土料理を楽しみたいなら、阿壩地方のチベット料理「藏香豚肉」やバター茶などもある。どのような味の好みでも、四川では口に合うおいしい料理や食品に必ず出会うことができる。「四川には至るところに美食があり、毎日が美食の祭典だ」という昔からの言い伝えには、確かに偽りはない。ここに来るなら、その言葉を実感できるだろう。

 

 

 

人民中国インターネット版

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850