日本交流における感動的なエピソード

 

楊立萍 西南民族大学

中国と日本は千年以上の交流があって、一衣帯水の国だと言われている、お互いに絆も深いし、感動的なエピソードも数え切れない程ある。この題を見て、「桜の旅は中国雲南省へ、桜を愛する民族との出会い」というドキュメンタリーが宛も自分の身を持って体験したことのように頭に浮んできた。

女優上野樹里がヒマラヤから桜前線の追跡を始め、雲南省の奥地,怒江リス族自治州に来た。ここに古くから住むリス族は中国に55いる少数民族の中で特に桜を愛し、独自の文化を築いてきた民族である。同じ愛情を持つ上野樹里はそんなリス族の人達に会いたくてたまらなかった。今か今かと待ち焦がれた日がやってきた、この日に李さんと言う女の子が親切に上野さんを自分の家に連れてきた。彼女は離婚後両親と一緒に住んで、自分の力で娘さんを育ててきた。上野さんがそこに滞在する間、李さんの農作業や料理の準備を手伝わせてもらったり。農作業に行く途中、彼女らは桜を見ながらゲームを楽しんだりしていた。桜祭りの前夜、李さんが上野さんを桜のよく見える場所に連れて行った、意味ありげな顔をして「私たちリス族は遠くの山に桜が咲いているのを見るが好きなの、とても心が落ち着くの」二人は自然と会話をした。母になって何か変わったかと上野さんは聞いた、「自由な時間がなくて、大変なことも多かったけど、娘の成長を見てると母になってよかったと思う」李さんは満足げに答えた。上野さんは「結婚は、人生は長いし,決めつけちゃいけない。一度散った桜もまたいつか咲く、人生も似たようなものではないか」と李さんを励ました、そのときの彼女の目には何か水晶のようなものがきらきら光り輝いていた。帰る途中、夕日の下、三人が手を繋いだ画面は心に刻まれていた。上野さんの出発の前に李さんはリス族の伝統的なカバンを上野さんに送って、「これを見てたまには私たちのことを思い出してくれたら嬉しい。もう同じ家族みたいなものだよ、だから、また桜の咲く頃ぜひ遊びに来るといい」、その時李さんは涙をもう抑えきれず、声も震えていた、上野さんは涙を流しながら皆さんに中国語で「谢谢」と何度も繰り返した。行く前娘さんに「キスしてくれる」と言ったが,幼い娘さんはキスできず、ただ泣き出した。それに、平日、子犬ですら大変恐がる彼女は、この時犬がいくら吠えても頑として母の袖を引きずって上野さんの足跡を追いかけた。彼女は何度も何度もふり返って、後ろにいる二人に中国語で「再见」と手を振りながら別れを告げた。上野さんは何も言えず、ただ名残を惜しんで先の道を歩き続けた。いつか、あの桜の木の下でと涙を拭きながら独り言を言った。そんな場面を見たら,誰でも感動せずにはいられないであろう。

このような日本の人気女優と中国の奥地の少数民族の人々にどんなつながりが出たのか、思いも寄らないであろう.だが、桜が絆になって、彼女らは出会った、自分の身分を忘れて、ただ桜好きな者同士として交流して、短い時間でも,お互い長い人生の中で忘れられない思い出になり、かけがえのない出会いになった、これは正に茶道でいう一期一会ではないであろうか。

上野樹里と李さんのことから、「絆」というものの大切さを深く感じた。中日国交正常化40年目の今年にあって、両国間に不愉快なことで、中日関係はうまく行かなくなってしまった。我々はお互いに自己反省をすることで、今までの悪い関係を改めようとしなければいけないと思う。特に、大切なのは両国間にこれ以上誤解を招かないようにお互いに思い遣ることで、もっと多くの交流の架け橋となる絆を探すことである。日本語を勉強している私は、日本語の絆で、努めて自分の力を尽くして何か役に立ちたいと決心した。今、日本語をちゃんと身に付け、客観的に日本のことを中国人にちゃんと伝え、自分の国のことを日本人に紹介して、一人でも多くの両国人民を彼女らのような交流ができるようにするべきだと思う。例えば、今年の夏休みに、私は日本人の観光客を接待したことがある。その時、日本語を通じて私の知る限り四川事情を紹介して、取り分け、観光客に麻婆豆腐を代表とする四川料理の作り方、材料などを説明したら、彼らも喜んで日本のことを私に教えてくれた。日本語と四川料理の絆で、私たちは楽しく交流できるようになった。

上野樹里と李さんの言葉は今も頭に残っている。私はこれをきっかけとして、自分の夢を見続けることができた、だが、一生懸命に努めても、一人の力では限りがある。皆力を出しあって努力すれば、きっと明るい未来を迎えると信じている。

 

 
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