ルーツでありわが家であり

 

郭伯南=文

私にとって『人民中国』は我が家であり、私のルーツは『人民中国』にある、といえましょう。

1977年に『人民中国』社に配転されてから定年退職するまで、15年にわたって編集の仕事に携わってきました。その間、数百篇、数百万字に上る原稿を書き上げました。

『人民中国』の主な対象国は日本であり、記事は読者の講読習慣に適するように書かなければなりません。そのため、長い年月の間に、その文章は独特の風格がおのずと形成されていき、人々からは「人民中国体」と呼ばれるようになりました。居丈高な調子の言葉や杓子定規の言葉は使わず、事実を用いての説明を重んじ、子供に物語を話して聞かせるように心をこめて生き生きと、面白く記事を書くように努めました。日本人古参専門家である村山孚さんは私との会話のなかで、「『人民中国』らしい記事が書けるようになれば、日本で歓迎されるだけでなく、中国でも歓迎されるようになる。この基本をものにすることが出来れば、生涯役に立つ」と話してくれました。このように先輩たちの心づかいと教えのもとに、徐々に対外報道の敷居を跨いでいきました。

生涯において私は二つの大学に入りました。一つ目は師範学院で、4年間です。二つ目は『人民中国』であり、15年の長きにわたっています。学んだのは「中日文化コミュニケーション学」でした。もし『人民中国』に根をおろしていなければ、中華文明を生涯をかけて伝え広める、という私の夢は実現できなかったでしょう。

『人民中国』は一冊の雑誌にすぎませんが、その60年来の総和は新中国発展史を見てきた当代の百科全書に匹敵するといえましょう。新中国の足跡と成果を記録し、中華の悠遠な文化を伝え広めてきています。

大所高所から数千年の歴史を見やると、中日両国間の文化交流と友好交流は遠い昔から始まっています。長い歳月の中で、一天にわかにかき曇るときもあるのは当然です。が、それは一時的なものであり、暗雲が立ち退けば晴れてきます。「中国」が存在し、「日本」が存在する限り、こうした意味合いからして、『人民中国』という中日文化交流の万年青の樹は永遠に青々とし続けることでしょう。

 

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