街を歩いて市民と交流

 

もっと人々の日常生活に近づきたいなら、武康路エリアの散策がオススメだ。淮海中路と華山路に挟まれたこの一帯には、「老房子」と呼ばれる歴史ある建物、特に洋風建築が数多く残る。多くの老房子は今も地元の人の住居として、あるいは企業のオフィスとして使用されており、カフェ、ショップ、画廊などもある。歴史ある建物を鑑賞しながら歩き、カフェでくつろげば、そこに暮らす人々をより身近に感じられるはずだ。徐匯老房子芸術センターはそうした建物の模型や写真を展示する新しい施設。見どころを紹介するリーフレットなども置かれているので、ここに立ち寄って情報を仕入れてから散歩すると、散策は一段と楽しくなるだろう。

いっそ、里弄と呼ばれるコミュニティーに入ってみるのもいいかもしれない。歩高里は、入り口に“CITE BOURGOGNE”と書かれているように、かつてフランス人が造ったもので、現在は上海の庶民が暮らすアパート群になっている。風情のある洋風建築の里弄に入れば、思わず写真を撮影したくなるシーンがあふれている。そして、写真を撮影していると、地元住民が話しかけてくる。彼らはこちらが外国人だと分かると中国語に片言の英語、身振り手振りを交え、熱心にコミュニティーの由来や、かつて住んでいた著名人について教えてくれるはずだ。上海の人たちは本当に人と人の垣根が低い。彼らと触れ合い、その暮らしぶりを見れば、彼らが求めるものが私たちと同じだということが分かる。歩高里で見かけた郵便受けの「幸福」の二文字は、人々の変わらぬ願いを表している。

 

人民中国インターネット版 2013年7月8日

 

 
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