G20でシリア問題に言及か 中国の活躍に期待

 

第8回G20サミットが本日、ロシアのサンクトペテルブルクで開幕する。中国の習近平国家主席が初めてこの国際舞台に登場することになり、各方面から注目を集めている。

米国がシリアに武力行使する可能性に関する情報が、このほど関係者の神経を尖らせている。同問題が今回のサミットに影を落とし、サミットの議題が経済以外にそれることが懸念されている。またスノーデン氏の暴露事件によるロ米の外交の駆け引きもまた、今回のサミットをかき乱す可能性がある。

米国の高官は、シリア情勢がサミットの議題に上ることはないとしたが、ロシアの高官は、シリアというサミットに出席しない国家の危機が経済関連の議題に影響することを懸念している。

専門家の金燦栄氏は、「G20は本来ならば経済を巡る会議であるが、現実世界において政治と経済はもつれ合っており、これを分けることは難しい。特に現在深刻化しているシリア問題を回避することは難しいだろう。開催期間中の二国間会談において(特にロ米首脳間で)、シリア問題が取り上げられることは間違いない」と指摘した。

金氏は、「ロ米がある種の妥協を選択し、同問題を政治的に解決する枠組み内に収めることに期待している。そうなれば世界を安心させることにつながるだろう。二つの超大国が対立すれば、それは誰にとっても災いであるからだ」と語った。

金氏は、「中国代表団も同問題について考慮を迫られる可能性がある。ロシアのプーチン大統領との会談のほか、習国家主席は米国のオバマ大統領と会談する可能性も高いからだ。そうなった場合、両国の大統領は習国家主席に支持を求めるだろう」と分析した。

金氏は、「中国は米国とシリア問題について話し合う際に、異なる立場にならなければならない。具体的に言えば、中国は立場を表明し、異なる点を認めながらも、共通点を見出すべきだ。習国家主席がオバマ大統領と会談した場合、その内容はシリア問題を超越し、経済協力に関する話題が注目されるだろう」と予想した。

各国が出席する外交舞台のG20で実施される首脳会談、特に大国の首脳会談は注目を集めている。紆余曲折を経るロ米首脳会談のほかに、領土・歴史認識問題で対立に陥っている日本と中韓の首脳が、初めて同じ国際会議に出席することに注意が必要だ。

サミットの開幕に当たり、日本側はいわゆる対話の姿勢を示し、中国の指導者との「立ち話」を求めている。金氏は、「日本には現在、一つの矛盾がある。それは自ら間違いを犯しておきながら、その間違いを正そうとせず、みなに出来るだけ早くそれを忘れさせようとしている。これは理にかなっていないことだ」と述べた。取材に応じた多くの専門家は、日本が釣魚島問題で誤りを正さなければ、中日関係の進展は困難だと表明した。

サミットの外交は常に、「各国が場を設け、二国間で協議を進める」という様相を呈する。G20という先進国と新興国などのさまざまな要素を含む場において、習国家主席がいかに二国間協議の中で中国の主張を説明し、国際情勢を処理するかが期待される。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年9月5日

 

 

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