都市化との正のスパイラル

 

文=高原 写真=馮進

農村部の大量の余剰労働力が農地での耕作を捨て都市部に行くことによってはじめて、農村における家庭農場の拡大需要が生じたと言える。そのため、家庭農場の発展は、その地方の都市化の発展レベルと緊密に関係している。

一般的には、家庭農場が請負う土地の広さは、普通の農家の少なくとも倍~数倍になる。現在、二億人以上の農民が出稼ぎに出ているが、彼らの土地の大部分は親戚または近所の人に委ねられ、耕作が行われている。都市における出稼ぎ農民の戸籍、社会保険制度、住宅などの問題が解決されるまでは、多くの出稼ぎ農民は軽々しく自分の土地使用権を長期間転貸しようとはしないだろう。政府も農民の土地使用権転貸を制限または強制してはならないと規定している。

そのため、目下のところ、家庭農場の発展に最適な地域は、長江デルタ、珠江デルタなどの工業発達地域、または北京、上海などの大都市の周辺地域となる。これらの地域は都市化の度合いが高く、十分な雇用を提供することができ、出稼ぎによる収入も農作業より高いため、周辺の農民は畑での耕作意欲が低下し、家庭農場の造成が比較的容易となる。しかし、都市化の度合いの低い地域では、農民にとって土地は依然して生活を保障する重要なものなので、彼らは軽々しく転貸することはない。この点から見れば、今後の農業以外の雇用機会と都市化の進展速度が、直接的に家庭農場の発展速度を左右することになると言える。人為的に家庭農場の発展速度を都市化の速度を上回らせるべきではなく、両者が調和の取れた発展を遂げ、正のスパイラルを形成させてこそ、初めて最大限に農民の利益を守り、彼らの生活を改善することができるのだ。

 

人民中国インターネット版 2013年10月

 

 

 
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