市場は改革の深化を望む

 

企業が「できること」を規定するのか、「できないこと」規定するのか。この両者を比べると、明らかに後者の方が企業は市場でより大きな役割を発揮できる。国際基準に合致した「ネガティブリスト」管理は市場ルールに順応し、経済運営のコストも下げられる。

「ネガティブリスト」は以下のように定義されている。未開放の業界や制限されるビジネス活動に適用されるリストで、どの分野と業界には制限があるか、あるいは外国企業の活動が禁止されるかを明確に告知し、リストに入っていなければ、「法が禁止していないことは全て可」の範囲内と見なす。今、中国の外資管理は『外商投資産業指導目録』のモデルを採用し、中国が外商の参入を鼓舞、制限、禁止する業界をリストアップし、すべての外商投資は規定された範囲内ならば活動できる。

上海自貿区が正式に承認されたことによって、「ネガティブリスト」管理という概念がますます多くの場面で、言及されるようになった。「正面清単(ポジティブリスト)」から「負面清単(ネガティブリスト)」に、一字の違いだが、政府の管理思想の大きな転換を物語っている。

中国(海南)改革発展研究院の遅福林院長は次にように指摘している。「政府と市場との関係を効果的に解決する鍵は、政府主導の発展方式を改め、市場の基本的な役割を十分発揮させることにある。『ネガティブリスト』管理モデルは、政府の役割を市場の効果的な役割の基礎の上に置き、市場が持つ潜在的な利点をもっと引き出すことが出来る」

「上海自貿区が受け負ったのは、単にこの29平方㌔の問題ではなく、国全体―法律、政策および国家管理に関わる問題だ」と、浙江吉利控股(ホールディング)グループの李書福会長は、8月下旬に行われた上海自貿区に関する内部シンポジウムの席上、感慨を披瀝した。

3年前、同グループはボルボ社を買収するや否や、難題に直面した。国の政策に照らすと、企業分類は登記地によって決まる。ボルボ社の登記地はスウェーデンにあり、この企業はスウェーデン企業、つまり外資企業ということになる。法的には、ボルボを中国で生産するには、合弁が必須というわけだ。そこで同グループはボルボ社買収後、直接、同グループの工場でボルボを生産するという本来ならば簡単なことが、タイムスケジュール通りには実現できなかった。

同じ年、米国・フォード社はボルボ社を買収した後、ボルボの生産を世界的な計画に組み入れた。その結果、フォード社の中国合弁企業はボルボ生産が可能になった。一方、ボルボは吉利グループのブランドになったものの、中国の法律に違反するため、同グループの工場で生産できず、最終的に規定に則って合弁企業の設立を申告し、新しい工場を作らなければならなかった。

「もし当時、ボルボ社が中国の企業と認められていたなら、われわれの研究開発、仕入れ、販売、グローバル戦略はもっと順調に進められただろう。つまり、中国のコストを利用し、中国で大量生産し、ボルボ社の技術、ブランド、販売ネットワーク、研究開発能力を利用し、全世界に輸出でき、われわれの競争力は非常に大きくなったはずだ。ほかの中国企業も投資行為に際して、多かれ少なかれ吉利グループのように投資管理体制による問題に遭遇したはずだ」と李氏は指摘した。

国家行政学院の竹立家教授は次のように分析している。「上海自貿区の設立は重大な改革措置であり、中国と世界経済とのドッキング、将来の発展モデルの模索に対しても非常に重要だ。また、目下、中国の改革は新しい時代に入り、改革すべきなのは経済体制だけでなく、管理体制も含む。今、上海で着手した外商投資に関する『ネガティブリスト』管理モデルの実験は管理体制の改革だ」

 

人民中国インターネット版 2013年10月

 

 
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