中日の未来のために私たちが出来ること

黄嘉麒(四川外国語大学成都学院)

 

中国と日本は海を隔てだ隣国である。でも、今回のことだけでなく、微妙な問題がしばしば起きている。だから、両国はお互いの関係をどうのように良い方向に構築していくべきなのでしょうか。

まず、歴史は未来の鏡だ。

周知のように、近代に入り、日本軍国主義が中国に対して侵略戦争を起こしたことは中国人のわれわれは忘れられない思い出だ。中日友好はその戦争の原因で大いに破壊されたために、われわれはその悲しみが深い歴史を銘記することを強調している。別に恨みを抱き続けたいのではない、中日両国人民は歴史を鏡として未来に向かい、友好的に付き合っていくためためです。すでに過ぎさったことだから、美しい未来に目を向かって心の扉を開けて付き合うようにしましょう。未来は若者に所有されるものだから、大学生の私たちは友好のために,出来ることは何でしょうか。相手の歴史や文化、習わしを尊重していながら、日本人の友達とつきあう。中日友好ということを周りの人に伝えて力強い輪となって中日友好のためにがんばりましょう。中日両国の間に問題や意見のくい違いがあったら、落ち着いてよく考えなさい。

これから、今、お互いに理解することは一番大切なことだと思う。

十年前、「今晩新聞」という新聞に書いてあるお婆さんと中国の留学生の間に起きた小さな物語に感動した。その暖かい気持ちはいまでもずっと胸の中に秘めている。

この中国からきた留学生の名前は劉氷だ。1999年、ちょうど中日関係がいろいろな複雑な原因で悪くなった時期でした。それから、日本国内では中国人を排除するブームが起こった。あの冬、雪が激しく降って、大地はすっぽりと白い雪に覆われた。劉さんが部屋を借りられなかったので、街角で困って泣かんばかりだった。その時、一人のお婆さんがやってきた。劉さんのいらいらしている顔を見て、「何があったの」とやさしく聞いてあげた。原因が分かった後、お婆さんは劉さんを自分の家に連れていった。残念ながら、貧窮していたお婆さんはひどい糖尿病がかかり、まもなく入院した。しかし、お婆さんが入院している間に、彼女の息子さんは一回も病院へ見舞うことはなかった。でも、学業もアルバイトもどんなに疲れても、彼女は相変わらず、お婆さんの世話をし続けた。お婆さんはとうとう人生の最後を迎えた。いまわの際に、「私は家族もお金もなくて、貧困な祖母なので、今から君は私の部屋の持ち主になった」と言いながら、左手から指輪を取って、劉さんに贈った。これはどうも見た目がぱっとしない鉄指輪なのだ。

時間は一気に過ぎて、劉さんは卒業した後、すぐ帰国した。ある日、友達と一緒に留学生活の世間話をしていた時に、劉さんはそんな不思議な物語を言った。あの友達は必ずその指輪を見せたてもらいたいと話した。鉄指輪のように見えるが、実は鉄より重いと思われてならないので、二人は宝物店へ行って、専門家にこの指輪を鑑定してもらった。専門家はある薬剤を使って、その鉄指輪を洗ったが、その上に生じたさびを落とした結果、三人ともびっくりした。指輪の中には星のようなきらきら光っているダイヤモンドがある。

この童話のような物語を読んだ後、いろいろ感じさせられた。特に、お婆さんと劉さんの間に生まれた家族のような感情は、中国と日本との誤解を超えて、ダイヤモンドよりもっと値打ちがある。「劉さんが実に幸運だ」と言う人もいる。でも、私の目から見れば、現実生活の中では多くの人は自分のことを考えているばかりで、目的を達するために、どんなことでもしかねない。劉さんのように、自分を助けてくれた恩人に恩返しを忘れない人がすでに珍しくなった。だから、運命を変えるほどの大きな奇跡はなかなか訪れない。これは人々の人柄次第だ。

日本の茶道文化の中で、「一期一会」ということわざがある。「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という千利休の茶道の筆頭の心得である。千利休の言った通りに、中国人と日本人にとって、劉さんとお婆さんのように、相手を親友と見なして、心の扉をあけて、お互いに理解し合い、お互いに大切にすることがとても重要なのだ。

では、日本語専門の学生としてどんなことをすればいいのでしょうか。

言葉は心の架け橋だとよく言われている。だから、一生懸命日本語を勉強して、日中友好の架け橋になるのが日本語専門の我々の責任だ。例えば、2008年の北京オリンピクはとても成功した。だから、日本はすごく豊富な経験がある中国と交流したいかもしれない。私はきっと喜んで中国の文化、情熱と魅力を日本に伝えたい。一方で、2020年夏季オリンピック・パラリンピック開催地が東京に決まった。オリンピック運動の理念に大いに賛成する私はとてもうれしかった。スポーツこそは世界をつなぐ。そして万人に等しい機会を与えるものがスポーツであると私たちは思っている。だから、その時、私は日本へ行って、日本語がわからない中国の観光客に日本語の通訳をしたい。このような些細なことは中日の未来のために私が出来ることだ。

とにかく、厳しい冬が過ぎてから、きっと暖かい春を迎え、中日の誤解はきっと冬の氷のようにいつか必ず解けると固く信じている。これはごく小さい私が持っている大きな夢だ。

 

 

 
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