中日の未来のために私たちが出来ること

楊晶晶(大連工業大学)

 

もし、私たちの暮らしの中に「いただきます!」というひと言がなくなったとしたら……。実はこの言葉から日本語の勉強を始めた私は今、そんなことを考えています。

一年生だったある日のこと、私は日本語の先生と一緒にお昼のご飯を食べました。注文したものがきて箸を取ると、先生はかなり大きな声で「いただきます!」と言いました。真面目な顔でいう先生の態度に驚いて、「先生、日本人はみんな食事の時に、必ず『いただきます!』と言いますか?どうして?」と、好奇心の強い私は聞きました。先生は笑いながら、「日本人にとって、『いただきます!』という言葉は『ありがとう』という意味があんだよ。だから、日本人は自然に出てくるし、食事を用意してくれた人に向けた礼儀というよりも、これから口に入れる食べ物に対する感謝の気持ちが強いんだよ。これはもう日本での決まりの言葉になった。それをよく勉強してね。」とおっしゃったのです。そこで私は先生に合わせて、食べ終わったあと、明るくはっきりと感謝の気持ちをこめて「ごちそうさまでした!」と言いました。実は、私たち中国にはこのような習慣がありません。私は先生にこの話を聞いたあと、考えてみました。

私は自分でも感謝の言葉がすごく足りないと思っています。母の日や父の日でさえも、親に感謝の心を持ちながら、「ありがとう」という言葉を口に出すことができません。日本人が日常生活の中でたくさんの感謝の言葉を言っているのに比べて、とても恥ずかしいです。私のように感謝の心を持っていても、言葉に出すことを恥ずかしがる中国人が多いのではないでしょうか。私のような人たちは一度反省すべきではないかと思います。必ずしも日本人のように食事の前に「いただきます!」と言わなくても、親の誕生日のときや、先生に教えていただいたときや、友達が助けてくれたときなど、感謝の気持ちをすぐにはっきりと言い表すべきではないかと思います。

中国と日本には、違う文化がたくさんありますが、優れたところをお互いに学ぶことが必要だと思います。そして、中日の未来のために、若者としての私たちが出来ることは中日両国の言語のレベルを高め、中日両国の文化を学びながら理解して、またそれらの優れたところを受け継いで伸ばしていって、中日交流の架け橋となって貢献すべきではないかと思っています。

そこで、これからの私は、食事の前には必ず「いただきます!」と言おうと思っています。

 

 

 
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