安倍首相の靖国参拝に国内外から非難の声

 

日本の安倍晋三首相が26日に頑として靖国神社を参拝したことについて、国際社会は強く非難し、日本国内の他党からも批判の声が上がっている。

 中国社会科学院日本研究所の呉懐中政治室長は「安倍氏の靖国参拝は、すでに困難に満ちた中日関係に追い打ちをかけた。安倍政権は対中敵視、挑発、対抗政策を改めなければならない。さもなくば、中日関係の正常な発展は困難だ。安倍氏のこの行動は極端な民族主義ムードを煽り、日本国内の政治環境を毒して、『憲法改正と軍事力強化』の目標を推し進めるものであり、元々複雑な東アジアの政治・安全保障環境を対立と衝突を招く危険な状況へと追いやった。今や世界の人々は、安倍氏の路線が侵略の歴史の否定を基礎に『正常な大国化』を大々的に推し進める事業であることを、さらにはっきりと目の当たりにした」と指摘した。

■日本の多くの政党が強く非難「侵略戦争の美化は断じて許さず」

 安倍氏の靖国参拝について、民主党、共産党、社民党、生活の党など日本の野党は26日、強い非難を次々と表明した。民主党の海江田万里代表は「安倍首相は慎重に、大局的立場に立って決定をすべきだった。中韓両国との外交関係に配慮して参拝を自重すべきだ」と表明。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「日本の侵略戦争を美化する立場を全世界に宣言することにほかならず、断じて許すわけにはいかない」と強く非難した。社民党の吉田忠智党首は「おごりだ。厳重に抗議する」と表明。生活の党の小沢一郎代表は安倍首相の靖国参拝に反対する談話を発表した。

自民党と連立政権を組む公明党の山口那津男党首も26日、強い不満を表明。記者団の質問に「安倍首相に賢明な対応を求め続けてきたにもかかわらず参拝したことは残念だ。安倍首相自身が問題解決に努力しなければならない」と述べた。

■靖国参拝は北東アジアの安定と協力関係を損ない、時代の潮流に背く

 安倍氏の靖国参拝に対して、韓国は初めて政府報道官として劉震龍文化体育観光相が非難声明を発表。「安倍首相が近隣国と国際社会の憂慮と警告を無視して、日本の植民地支配と侵略の歴史を極力美化し、第2次大戦の戦犯を祀る靖国神社を頑として参拝したことに対して、韓国政府は極めて大きな失望と憤りを表明する」とした。韓国の与野党議員からなる「正しい歴史教育のための国会議員の会」は26日の声明で「安倍首相の全ての行いは日本の侵略戦争で苦しみを受けたアジア近隣国への侮辱であり、韓日外交は致命的な打撃に直面している。この全ての責任は安倍政権にある」と指摘した。

 在日米国大使館は26日にウェブサイト上に声明を発表し、「日本の指導者が近隣諸国との緊張を激化させる行動を取った」として、安倍氏の靖国参拝に「失望」を表明。「米国は、日本が近隣諸国と敏感な歴史問題を処理し、相互関係を改善させ、協力を促進し、地域の平和と安定という共通の目標を追求する建設的な方策を見いだすことを希望する」と指摘した。

 ロシア科学アカデミー東洋学研究所の首席研究員は人民日報の取材に「靖国神社はアジアの人々に対して犯罪行為を犯した戦犯を祀っており、安倍首相の靖国参拝は中韓などかつて日本に侵略されたアジア諸国の人々の感情を傷つけた。これは地域の平和と安定にマイナスだ」と指摘した。

スイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングは論説で「7月の参院選勝利後、安倍首相の心はどんどん右寄りになっている。日本は20世紀前半の独裁時期と結びつきかねないと懸念する声もある。靖国参拝によってこの懸念は一層深まった。こうした背景の下、安倍首相の恒久平和への誓いは近隣国の耳にはうつろに聞こえる」とした。

 マレーシアのベルナマ通信は26日「安倍首相は国際社会、アジア近隣国および日本の民衆の反対を無視して、第2次大戦のA級戦犯を祀る靖国神社を頑として参拝し、中韓などアジア諸国との関係悪化を招いた」と報じた。

 英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は26日「靖国神社はアジア諸国から日本の侵略の象徴として非難されており、安倍首相の靖国参拝はその『右翼事業』を深化させるものと受け止められている」と報じた。

 ドイツのテレビ局N24のウェブサイトは「安倍首相の靖国参拝は、近隣国との衝突を避ける『実務』外交政策からさらに遠ざかったことを意味する」との評論家の指摘を報じた。

 

 「人民網日本語版」2013年12月27日

 

 

 
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