実店舗のモデルチェンジの試み

 

ネットショッピングの盛行は、デパートやショッピングセンター、専門店といった実店舗販売に巨大なプレッシャーを与えることとなった。ファッション、美容、電子製品などの利潤が高い分野では、とくにネットの低価格販売が大きな打撃となっている。デパートのブランド品売り場は試着室と化していて、多くの若者は街に出かけた時に試着し、商品の型番を覚えておいてネットショップで買うことで、通常価格の3割引きまたはそれ以上の割引価格で購入している。

業績悪化に直面し、実店舗もモデルチェンジを図っている。自らネットショップを立ち上げるだけでなく、さらに支付宝などのネット企業と協力し、始まったばかりのモバイルペイの恩恵に預かろうとしている。昨年末、全国に37店舗ある銀泰百貨は、全店同時に「音波支払い」サービスを開始した。顧客は支付宝のアプリを携帯電話にインストールし、ショッピング時に携帯電話の拡声器を販売業者の信号発信機に近づけ、3秒後にパスワードを入力するだけで支払いができ、現金や銀行カード、POS機なども不要である。また、今年3月から、北京王府井百貨公司では、微信(日本のLINEに相当)で二次元コードをスキャンすれば買い物できるようになった。また、微信によって、ショッピングセンターのギフトカード、プリペイドカードなどを友人に贈ることもできる。この背後には、王府井百貨集団と微信のビジネス開発、市場リソース、デジタルデータ共有と分析という領域における広範な協力がある。

 
 
昨年開かれた中国インターネット大会で、携帯でQRコードを
スキャンして支払う機能を体験している参観者(新華社)

支付宝、微信など、オンライン決済サービス業者は自分の勢力をオフラインにまで広げようとしており、銀泰、王府井百貨などの実店舗はインターネット時代に再びチャンスをつかもうとしていて、モバイルペイがちょうど二者に提携・発展の新たなチャンスを与えることとなったのである。


人民中国インターネット版 2014年4月17日

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