数字から見る「国家の気候変動対応計画(2014~2020年)」

 

19日に発表された「国家の気候変動対応計画(2014~2020年)」で、中国の気候変動に対応するためのタイムテーブルとルートマップが明確にされた。ここでわれわれは、数字を通してこの計画を読み解いてみよう。

気候変動に対応するための主要目標

【数字】40~45%低減

【措置】2020年までに、国内総生産の単位当たりの二酸化炭素排出量の割合を2005年比40~45%低減させ、森林面積と森林蓄積量をそれぞれ2005年より4000万㌶と13億立方㍍増加させる。砂漠化した土地のうち、砂漠化が解消可能な土地面積の50%以上の土地の緑化を行う。都市の水道供給保証率を著しく引き上げる。重点都市の中心地域やその他重点地域の洪水防止、旱ばつ防止能力を著しく増強する。

交通による温室効果ガスの排出抑制

【数字】公共交通利用率を30%に

【措置】2020年までに、大・中都市の公共交通利用率を30%に引き上げ、鉄道の運送ネットワークを整備し、鉄道の電化工事を急ぎ、鉄道の単位輸送量当たりの二酸化炭素排出量を2010年比15%削減する。航空ネットワークを整備し、輸送構造の合理化を行い、民間航空の単位旅客・貨物輸送取扱量当たりの二酸化炭素排出量を2010年比約11%削減する。

ローカーボンライフの提唱

【数字】交通手段の「135」

【措置】積極的に「135」でエコ交通を提唱する。「135」とは、1㌔以内は歩きで、3㌔以内は自転車で、5㌔ほどなら公共交通で、という使用交通手段のルールである。人々に公共交通の利用を奨励し、小排気自動車、省エネ自動車、新エネルギー車輌の購入をサポートし、非合理的な消費を抑制し、商品の過剰包装を制限し、使い捨て品使用を減少させ、ローカーボン商品販売専門ゾーンやローカーボン製品スーパーなどを設けさせる。ローカーボン飲食行動を推進し、レストランにおける注文量を適量にし、不必要な衣服や物の消費を減らすことを消費者に提唱し、衣服や物の再利用を促進する。

気候変動の人の健康に対する影響の緊急処置案の制定

【数字】3項目の措置

【措置】1.気候変動の影響を受けやすい地域の公共医療衛生施設を整備する。

2.気候変動に関係する疾病、特に関係する伝染性・突発性疾病の流行の特徴、パターン、適応策略、技術研究に基づき、気候変動に対して敏感な疾病のモニタリングや予報、緊急対策と一般への情報発表メカニズムの模索を行う。

3.自然災害と災害後の心理カウンセリングメカニズムを建設すると同時に、気候変動に関する衛生リソースへの投資や健康教育を強化し、公衆の自己保護意識を増強させ、居住環境を改善し、人々の気候変動適応能力を向上させる。

ローカーボンコミュニティのテスト地点開設

【数字】約1000カ所のテスト地点

【措置】「第十二次五カ年計画」期間終了までに、全国でローカーボンコミュニティのテスト地点を1000カ所ほど設けるよう取り組み、コミュニティの計画設計、建築素材の選択、冷暖房や電気・お湯供給システム、コミュニティの照明、コミュニティの交通、建設工事などの方面でのエコ・ローカーボン化を実現する。2020年以前にローカーボン商業テスト地区を約1000カ所設置し、代表的な商店、ホテル、レストラン、観光地などを選び、省エネ強化、再生可能エネルギーなどの新応用技術によって、二酸化炭素排出量を著しく削減させる。

価格改定により排出削減を約束する

【数字】7項目の政策

【措置】1.エネルギー資源の価格改定の推進を早める。その資源の希少度、市場との需給関係、環境コストを反映させた価格形成メカニズムを整備・建立する。

2.逐次、天然ガスと代替可能なエネルギー、石炭と電気との価格の関係を適切に処理する。

3.積極的に電気価格の個別化、懲罰的電気価格、住民の段階式電気価格、時間帯別の電気価格を推進し、使用者の合理的な電気使用を導く。

4.暖房供給体制改革をさらに進め、暖房供給量による課金を全面的に推進する。

5.積極的に水道代の段階式価格制を推進し、水資源節約と合理的配置を促進する。

6.都市の駐車費用徴収政策を整え、区域別、時間帯別の徴収政策をはかる。

7.生活ゴミ処理費用の徴収制度を整える。

(編集=張春侠)

 

人民中国インターネット版 2014年9月25日

 

 
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