APECで注目を集めた中国の改革(二)

 

5.改革が呼び起こす科学技術のイノベーションの活力 

 

中国は近年、科学技術分野で安定的な成長に入っている。2013年、中央財政の科学技術分野への支出は2364億6800万元(約4兆4626億円)に達し、公共財政支出の11.55%を占めた。 

今年10月、科学技術部(部は日本の省に相当)と財政部は共同で関連法案を発表した。それによると、科学技術資金は公開された共通の国家科学技術管理プラットホームを通じ、巨視的に計画するとし、具体的には専門の組織に管理を委託するという。 

科学技術への資金投入の増加や管理方法の改革は、科学技術のイノベーションをもたらす。自主的なイノベーション能力が絶えず強まるのに伴い、科学技術のイノベーションと進歩が国家の経済・社会の発展を支える役割は日増しにはっきりしてきている。 

スーパーコンピューターや北斗システム(中国の衛星利用測位システム)、スマートグリッド、3Dプリンター、スマートロボット、次世代新エネルギー自動車、先進的な生物産業、深海での天然ガスの調査・開発など、中国は戦略的なハイテク分野の核心となる技術で、絶えず新しい飛躍を生んでいる。

 

6.エコ文明を建設し、空をさらに青く、水をさらに清らかに 

 

中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が採択した「改革の全面深化における若干の重大な問題に関する中国共産党中央の決定」は、エコ文明制度体系について初めて系統的に詳しく説明し、制度によって生態環境を保護することを打ち出した。 

大気や水、土壌の汚染管理、主要な汚染物質の排出削減など、中国は環境保護分野の改革を積極的に進めている。環境保護法や水汚染防止法、大気汚染防止法、土壌汚染防止法の改正は、すでに国家の立法計画に組み入れられている。 

2013年の1年だけでも、環境保護部は国家環境保護基準を135件発表した。火力発電や鉄鋼製錬、石油化学工業、セメント生産、非鉄金属、化学工業の6大分野と石炭ボイラーが重点項目で、大気汚染物質の特別排出規制値を設けた。

  

7.新型城鎮化が都市と農村の協調的な発展をリード 

 

統計によると、中国の常住人口の城鎮化(都市化)率は53.7%で、戸籍人口の城鎮化率は約36%だ。これは先進国の平均である80%の水準に遠く及ばないだけではない。中国と1人当たりの所得が変わらない発展途上国における平均値の60%よりも低い。 多すぎる農業人口は農業用の水と土地の不足を引き起こし、都市と農村の二元体制も農村の発展をひどく制約している。これに対し、中国は「国家新型城鎮化計画」を公布し、2020年までに常住人口の城鎮化率を約60%、戸籍人口の城鎮化率を約45%まで高め、約1億人の離農者とほかの常住人口を城鎮に定住させるよう努力するという計画を立てた。 

引き続き城鎮化レベルを高めることで、より多くの農民は転職を通じて、収入がアップし、都市住民になってより良い公共サービスを享受するだろう。それによって城鎮の消費集団を絶えず拡大させ、消費構造を絶えずバージョンアップさせ、消費の潜在力を絶えず解き放てる。城鎮化の推進はまた、都市のインフラや公共サービス施設、住宅建設などの巨大投資のニーズをもたらし、中国経済の発展に持続的な原動力を提供するだろう。

 

8.改革は民族文化の創造力を呼び起こす 

 

3中全会は健全な現代文化市場体系を築くことを打ち出した。「現代」の2文字をめぐって、文化部門は改革の任務の細分化を推進する。文化製品市場の財産権、版権、技術、人材、情報などの要素の市場建設を加速し、これらの措置は力強く文化製品の創作・生産を推し進め、文化市場をさらに繁栄させる。 

文化の繁栄は文化外交を絶えず発展させる。中国は中ロ、中米、中欧など多国間・2国間の政府協力メカニズムの枠組みで、文化交流活動を展開している。中ロ青年友好交流年や中仏国交樹立50周年祝賀活動などは、中ロ、中仏の文化芸術交流の新しい窓を開けた。計画によると、2020年までに中国は世界の主要地域に50の文化センターを建設するという。

 

人民中国インターネット版2014年11月12日

 
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