北京APEC、中国の10大収穫

 

北京APEC会議に中国外交は空前の活躍を見せ、21エコノミーの指導者が勢揃いした。これは中国がこれまで開催した中で、最も世界から注目される国際会議だった。世界第2の経済大国である中国が示した実力、決定力、働きかけの力を、人々は賛嘆してやまなかった。 

中国としては今後長く影響を与えるはずの大きな収穫が少なくとも10あった。

(1)中国の主導権を示した。

主催国である中国は、議事日程の設定をしっかりと掌握した。アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)をめぐる駆け引き、コネクティビティをめぐる最終決断において示されたものは、中国の指導力と主導権だった。

(2)コネクティビティへの高い支持。

これは中国の長期的発展の戦略計画に関係する。大規模な海外インフラ投資によって、中国は余剰生産能力をシフトし、製品、サービス、規則などを輸出し、太平洋から大西洋への戦略的通路を切り開き、「1ベルト、1ロード」沿線諸国を中国の発展の軌道に組み入れることもできる。

(3)FTAAPの始動。

それは大げさではないかと異議を唱える人も多いだろう。実は大げさではない。米国が若干考えを異にしたことから、FTAAPは少しだけ予定通りに行かなかった。だが大丈夫。中国が力強く推進する中、当然のことながら興味を覚える国々(日本を含む)も少なからずあり、APEC首脳会議ではFTAAPのロードマップを採択できた。習主席の言葉を借りるなら「歴史に残る」決定だ。経済効果が多大であるうえ、今後われわれは多くの外交、経済、貿易の政策決定を、FTAAPを推進することもできる。

(4)中米が溝をしっかりと管理・コントロール。

中米は過去2年間に少なからぬ困難、衝突、摩擦を抱えてきた。だが習主席はその外交スタイルによって、オバマ大統領をわが家に帰ったかのようにもてなした。両首脳は握手した。談笑すれば恩讐が消えるとは言えないが、少なくとも厄介な問題を憂慮するには及ばない。中米関係が急激に悪化しないだけでも、中国にとっては戦略的チャンスだ。

(5)ロシアからの大きな贈り物。

ウクライナ危機によって、ロシアは中国に助けを求めるほかなくなった。習主席とプーチン大統領は再び意気投合。プーチン大統領は贈り物をしないのでは余りにも申し訳がなく、300億立方メートルの天然ガス供給契約を締結した。

 

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