APECで注目された中国の改革

 

9. モデル効果の明らかな上海自由貿易区

習近平国家主席は10月27日午前、第6回改革全面深化指導小組会議を開いた際、上海自由貿易試験区はほかの地域に押し広げられる経験を得ており、速やかに普及させる必要があると述べた。

上海自由貿易試験区は2013年9月29日に成立した。投資や貿易、金融、行政・法制など多項目の改革を試験的に実施しており、中国が改革を深化させるモデルケースになっている。上海自由貿易試験区で得られた一連の経験は現在、徐々に全国で実行されている。天津市や広東省、福建省は積極的に自由貿易試験区プランを申請しており、次の実施地区になる見込みがある。

10.都市・農村住民の基本年金保険制度を統一

2月21日、国務院は「都市・農村住民の統一的な基本年金保険制度の確立に関する意見」を公布した。全国的に都市・農村住民の年金の待遇を統一する。

中国では、都市と町の住民の年金が農村住民よりも優遇されていた。今回の措置は、中国で長らく存在していたこの不公平を転換するだろう。また、都市と農村の人口移動を促進し、社会福祉制度の公平性を高めるのに役立つほか、消費をけん引し、起業を後押しするのにも役立つだろう。

11.浪費を防ぐ公用車改革

2014年7月16日、国務院は公用車改革制度を正式にスタートさせた。新しい規則によると、副部長級以下(部は日本の省に相当)の指導者が公用車利用を中止するほか、一般公務での公用車利用を中止する。また通常公務の外出は公共交通機関を利用し、適度に交通手当を支給する。

統計によると、公用車改革以前では、党政機関や行政事業単位の公用車は計200万台以上あり、公務での自動車利用の支出は毎年1500億~2000億元(約2兆8300億~3兆7740億円)に上っていた。その上、公用車の無断利用や高級車購入などの問題が深刻で、一般大衆が不満を募らせていた。今回の改革措置の推進は、「車輪の上の腐敗」を根治する見込みがある。

12.「単独2子」の全面実施

2014年、「一人っ子政策」を緩和する「単独2子(夫婦の一方が一人っ子の場合、二人目の出産を認める)」政策が各省で次々と実施された。全国人民代表大会常務委員会は2013年末、生育政策の調整・改善に関する国務院の法案を採択し、夫婦のうち片方が一人っ子の場合に第2子出産を認める政策に同意した。これは30年以上に及ぶ中国の計画生育における重大な変革だ。

2010年の第6回全国人口調査の資料によると、中国大陸は2010年に総人口が13億3900万人に達した。このうち0~14歳の児童人口は2億2200万人で、総人口の16.6%を占める。もし長期的に一人っ子政策を続ければ、将来の40年間で中国の人口は増加せず、急速なマイナス成長の段階に入り、全面的に高齢化するだろう。

「単独2子」政策の実施から今年11月までの間、条件に合致する計約70万組の夫婦が第2子出産を申請した。これは、当局が予測した毎年約200万組という申請数とは大きくかけ離れている。

 

人民中国インターネット版 2014年11月13日

 

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