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#食習慣# ゲッ、ハエ食堂!?

北京人が言ういわゆる「小饭馆儿」(小さな大衆食堂)のことを四川省の成都では「苍蝇馆子」(ハエ食堂)と呼びます。これは決して貶めているのではありません。成都人は店の外観や内装がいささか古びていて、清潔とは言いがたいけれど味は抜群という小さなレストランを、親しみとユーモアを込めて「ハエ食堂」と呼んでいるのです。

こう呼ばれるようになった理由は大きく3つあります。まず、「ハエ食堂」はだいたい市内の路地裏にあり、店構えも小さいのです。次に、店内のテーブルやイスは質素なもので、時に壊れているものもあったりして、ハエが飛んでいても不思議がないようにさえ見えます。そして、宣伝も広告もしないその店がどれだけ奥まった場所にあっても、店構えがどれだけ目立たなくても、「吃貨」(食いしん坊)たちはその味を慕って、まるでハエのように(?)集まってくるのです。この言い方が面白いということで、最近ではネットで盛んに使われるようになっています。

実は、人に教えるのは惜しいけれど北京にもそんな「ハエ食堂」があります。安定門に近い分司庁胡同の張媽媽特色川味館がそれです。この四川料理店にはテーブルが5つ半しかありませんが、「ハエ食堂」としてはとても衛生的で、床が油で滑るなんてこともありません。四川料理が好きならこの店は絶対のオススメです。なぜならこの店の料理は美味しいだけでなくどれも本場の辛さだからです。最も人気の料理は「傷心涼扮」(涼粉草と米が原料のつるっとした麺)と「鉢鉢鶏」(鶏肉の酸っぱ辛いスープ煮)で、これはどのテーブルでも必ず注文される定番料理です。

「ハエ食堂」は店は小さくても、常連客にとってはミシュラン・レストランに勝るとも劣らない存在なのです。私は、食いしん坊ならきっと心の中にこうした「ハエ食堂」マップを持っていると信じています。

ついでに、そんな人気店の代表をいくつか紹介してみましょう。北京東城区の鼓楼のすぐそばにある「姚記炒肝」、同じく東城区美術館東路にある「丹桂餐庁」、そしていつも行列ができている「三里屯麺館」にはスターがお忍びで訪れるそうで、韓流スターのウォン・ビンも来るとか。このほか、北京料理を出す「ハエ食堂」としては、翠花胡同の悦賓飯館がその代表と言えるでしょう。

メモ 張媽媽特色川味館
所在地:北京市東城区安定門内大街分司庁胡同5号(方家胡同西口向かい)
営業時間:11:00~22:30
電話:13717850992

 

人民中国インターネット版 2014年6月1日

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