「1ベルト、1ロード」が世界で好評を得た一年

 

中国共産党の第18回党大会以来、世界で「中国の風」が吹き始めた。2013年には「中国の夢」が全世界で好評を得た。そして2014年には「1ベルト、1ロード」が全世界で好評を得た。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

「1ベルト、1ロード」は新情勢下で対外協力を推進する中国の重要な構想であり、現在の情勢下で世界との関係を発展させるウィンウィンの戦略を示している。「1ベルト、1ロード」の沿線国・地域は中国との協力を通じて共同発展を遂げる。しかもこの発展戦略は相当の拡張可能性を備えることから、「1ベルト、1ロード」の幅は拡大し続け、道は延び続けるうえ、最終的には緊密な重層構造を持つグローバル・コネクティビティ・ネットワークを形成する見込みがある。このため世界的範囲でさらに多くの国々が期待を寄せている。

「1ベルト、1ロード」の現在の計画では、沿線国は60数カ国に及ぶ。すでにこのうち50数カ国が参加と協力に前向きに応じている。中国が高所から一声かけると、各国が積極的に応じた。これは中国が各国の共同繁栄・発展という理念を打ち出し、共に話し合い、構築し、享受するという共同目標を堅持しているからだ。改革開放以来35年間の中国の協力理念と比べると、かつては協力を受け入れることが多かったことに気づく。だが35年間の蓄積、高度化を経て、現在の中国は国際協力を送り出す側により多くの能力を備えている。「1ベルト、1ロード」という協力のコンセプトであれ、資本であれ、技術であれ、中国はトップレベルデザインとリソースの支えを提供している。

この1年、中国は「1ベルト、1ロード」推進のために卓越した努力を払った。今年4月のアジア信頼醸成措置会議(CICA)首脳会議で、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立構想を初めて打ち出した。今年10月にはアジア21カ国がAIIBの設立に関する覚書に署名した。11月の北京APEC首脳会議で、中国はシルクロード基金の創設を発表。わずか半年余りで、中国は「1ベルト、1ロード」発展のために関連する制度とリソースを用意した。同時に、オーストラリアや韓国との自由貿易協定(FTA)交渉を年内に相次いで妥結し、アジア太平洋自由貿易システムのアップグレードのための基礎を固めることで、新シルクロート地域の繁栄と進歩を一段と促進した。

昨年、中国は周辺外交政策座談会で「親、誠、恵、容」の原則を打ち出した。今年の中央対外事務政策会議でも周辺外交を対外関係の優先的方向とすることを打ち出した。「1ベルト、1ロード」の提唱は、この2年間の2度の外交政策中央会議の精神の実行であり、経済の新常態に入った後の中国の発展戦略を周辺諸国の経済発展と真に高度に結びつけるものだ。周辺諸国に協力・発展の公共財を提供することで、中国は繁栄と安定を波及させる地域の柱に自らを高めてもいる。中国は近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする周辺政策を終始一貫して遂行しており、アジア太平洋の平和と発展の重要な要素だ。

現在「1ベルト、1ロード」の沿線は、通常の意味での中国との地理的隣接の範囲を遙かに超えている。「1ベルト、1ロード」経済圏の波及範囲はすでに海や大陸を跨ぎ、高速鉄道で10数時間というその距離は、われわれの周辺の概念を再構築する。地球村が狭くなるに伴い、中国の影響力は日増しに高まっている。ユーラシア大陸はかつてないほど緊密に相連なっており、伝統的な地政概念もそれに応じて調整されるのは必至だ。これは新世紀における中国の人類文明に対する重大な貢献であり、中国はこれによって経済の新常態の歴史的段階を経て、世界をリードする核心地帯に足を踏み入れることにもなる。

すでに今年、中国の「1ベルト、1ロード」は世界で好評を得た。新シルクロードの発展に伴い、その影響力はますます高まる。「1ベルト、 1ロード」という壮大な地域発展を形作る現代中国は、すでに積極的、主導的に、奮起して行動する大国となっている。中国のコンセプトとデザインを通じて、国家富強、民族復興という中国の夢を実践している。平等・互恵と協力・ウィンウィンを通じて、中国の夢は各国の発展の夢の実現とのプラスの関連を着実に生じてもいる。(編集NA)

 

 「人民網日本語版」2014年12月26日

 

 

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