タイミングが悪かった……

 

雑誌社で編集の仕事をしている李慧鵬さんとその妻、張瀛瑩さんは、共に1984年生まれ。2人は大学時代の同級生。李さんは吉林省延辺朝鮮族自治州の朝鮮族で、弟が1人いる。一方、張さんは北京生まれの漢族の一人っ子。都市部の同年代の若者に比べると彼らの結婚、出産は比較的早かった。2人の間には2012年、女の子が生まれ、名前を松子と付けた。2人目は今年の2月に生まれる予定。

李さんの家では「単独2子」政策が発表されて間もなく、ちょうど2人目ができた。タイミングが悪く「単独2子」政策発表前にできた子どもにはこの政策が適用されなかったという。つまり、夫婦共に一人っ子の場合に限り2人目出産が許されていた。李さんは現在、北京に定住しているために「単独2子」政策を待たなければならなかったが、故郷の延辺朝鮮族自治州にいたならば、政策を待つことなく第2子を出産できた。

1984年、中国共産党中央委員会第7号文書によると、人口1000万に満たない少数民族は計画生育の優遇を受けることができる。つまり、1夫婦につき2人、またはそれ以上の子どもを持つことが許されている。人口1000万人以上の少数民族には、漢族と同じ要求である。しかし、これは絶対ではない、具体的な政策は各省の規則に基づいている。例えば、福建省の夫婦は共に少数民族の上に、農村の戸籍があるという二つの条件を満たしていないといけない。或いは、少数民族のそれぞれのふるさとに満5年住んでいることも条件の一つ。これらの条件を満たした上で、2人の子どもを生育することができる。または、雲南、貴州、青海、チベットなどの少数民族が集中している省・自治区では、政策としては強要しないものの、避妊具を配布するなど、さらに多くの「少生優生」(少なく産み、心身共に健康に育てる)の奨励を行っている。

李さんのふるさと、延辺での要求は、定住しているか、ここで生まれ、大学卒業後、再び延辺に戻り定住している少数民族の若者だけが、2人の子どもを生育することができる。外から入ってきたり、或いは外に出て行ってしまった者には、2人目出産後の補助金5万元を含め、政策の優遇は適用されない。李さんにとって、「単独2子」政策の実施は、2人目の出生許可証明書の手続きができるちょうど良い時期だった。

申請の過程は思っていたよりも厳しく、李さんの妻である張さんと彼女の両親は、2人目出生許可証明書が手に入るまで、昨年10月からちょうど1カ月かかった。母親の一人っ子証明書を提出すれば良いだけかと思っていたが、そんな簡単なことではなかった。審査には張さんの両親の婚姻関係から始まった。そして、張さん1人だけを育てたという証明書を居住区の住民委員会から出してもらわなければならなかった。その上、離婚して再婚した後、新たに子どもをもうけていないかまで調べられた。つまり、もし、他に兄弟姉妹がいるとすれば、一人っ子とは見なされない。(文=高原 写真=馮進)

 

2人目にも新品をそろえて

2人目の孫が待たれている

 

 

人民中国インターネット版 2015年1月

 

 
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