政治協商委員、結構大変なその仕事

 

中国の8つの民主党派の一つ「中国民主促進会」の中央委員会副主席の朱永新氏は、ベテランの全国政治協商委員だ。1990年代初めから、江蘇省蘇州市、江蘇省、全国へと各級の政治協商委員を歴任。2008年に全国人民代表大会常務委員に転任し、2013年3月に再び全国政治協商委員となった。 政治協商会議の主な役割は、「政治協議、民主的監督、政治への参加・提案」とされる。全国政治協商会議の開催は毎年1度だけだが、政治協商委員の仕事は会議期間の間だけではない。 

「いかに、自分の党や専門の強みを生かし、政治協商会議の場で役割を果たし、政治への参加・提案と民主的監督という職務を積極的に全うするか。いかに、中国の特色ある社会主義の政治発展の道と多党協力と政治協商の制度のために貢献するか」。朱永新氏が自分の課題とするこの問いは、多くの政治協商委員にとっての課題でもある。 

「人民日報」は、2013年全国政治協商会議の開幕日となった同年3月3日、「委員の職務怠慢は67万人の欠席を意味する」という朱氏の文章を掲載した。委員には「役割意識」が必要とするこの論文は大きな反響を呼び、各大手メディアに続々と転載され、これに関する論評も発表された。 

提案は、政治協商委員が職務を果たす重要な形式であり、社会の実情や民意を政治に反映させる重要な道である。朱氏はこの数年も多くの提案をしてきた。「国家読書節」の設立や労務派遣の規範化、教育改革など内容は広範囲に及ぶ。関連部門の注目を受け、採用された提案も少なくない。 

朱氏の提案には、朱氏が長期にわたって関心を持ち、提案を続けてきたものも多い。例えば国家読書節設立の提案は、2003年の両会で始まり、10年余りにわたって続けられた。国家部門や関連部門などからの聞き取りを手がかりにしたり、学生や民主促進会員との交流で課題を見つけたり、研究者の文章をヒントにほかの調査を総合したりして、朱氏は提案を形作った。

「提案は一度上げれば終わりではない」と朱氏は語る。「一部の問題については、長期にわたって着目し、調査しなければ、深みのある質の高い提案をすることはできない」 

政治協商委員の大会での発言は、これまでも中国両会の見所の一つとなってきた。大会には中国の国家指導者も出席し、委員の意見や提案をじかに聴取する。大会の模様はテレビやインターネットでも生中継され、高い注目を受ける。 

政治協商会議の大会発言制度は中国の民主プロセスの一環であり、どの委員も発言を申請できる。各党派と各界の代表のバランスや発言のテーマや内容のバランスが考慮されるため、発言採用の競争は非常に激しく、採用数は申請数の2%前後にとどまる。朱氏は2013年と2014年の2年連続で大会発言の機会を獲得し、教育の公平と伝統文化の教育についての見解を発表した。 

朱氏は、政治協商委員向けの各種の視察活動に参加してきた。こうした活動は、委員が状況を知り、問題を検討し、学習・向上する重要な機会となっている。朱氏はさらに、テーマ別の協議や特定機関との協議、業界別の協議、提案処理の協議など多くの協議活動にも参加してきた。これらの活動はいずれも、中国の社会主義民主主義を発揚するための重要な試みとなっている。 

朱氏は、知識人のとして自らの知識を通じて国家に意見や提案ができる時代に巡りあうことができ、自分は幸せだと語る。政治参加党のメンバーと全国政治協商委員の一人として、執政党を助け、国家に尽くし、人民に奉仕することは、朱氏の理想だという。(編集MA) 

 

「人民網日本語版」2015年3月2日

 

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