両会をビジネスチャンスに 今年成長が期待できる7業界 |
2015年、大きな成長が期待できるのはどの業界だろう?年間の経済発展の風見鶏的役割を果たす今年の政府活動報告には、「都市化」「新エネルギー」「モノのインターネット」「健康」「農業近代化」などの分野で、重要計画が盛り込まれた。これらの分野には、どれだけのビジネスチャンスが潜んでいるのだろう?経済観察網が報じた。 1、大大的に始まったスマート都市建設 市場の焦点:市場規模4兆元 ビジネスチャンス: スマート交通、医療デジタル化、スマート政務、水資源管理、安全監督管理、スマートビル・パークなどはいずれも、スマート都市建設において不可欠な要素だ。全国人民代表大会の代表を務める神州数碼(デジタル・チャイナ)董事局の郭為代表は、経済観察報の取材に対し、「スマート都市の戦略的チャンスは、インターネットを用いて都市のモデルチェンジ発展を推進し、現代の技術発展を利用してより精確性と効率性の高い管理パターンを実現させることにある」と答えた。 背景:今年の政府報告では、都市計画の建設レベルを高め、スマート都市を発展させることが打ちだされた。住宅・都市農村建設部(省)の統計データによると、2013年、国家スマート都市試行地点に指定された都市は計198に達し、二級都市の8割以上に、スマート都市建設という発展目標が与えられた。中国工業・情報化部(省)ソフトウェアサービス業司の李穎・巡視員は、国内スマート都市建設市場の規模は、今後、4兆元に達するとの見通しを示した。 2、急成長するモノのインターネット 市場の焦点:世界経済に1兆9千億ドルの利益 ビジネスチャンス: 市場調査会社ガートナーの予測によると、2020年、モノのインターネット関連設備の数は260億まで激増する。さらに、スマートフォンとタブレットPCを加えると、この数は330億に達する。モノのインターネット市場には、巨大なビジネスチャンスが潜んでいる。ガートナーは、「モノのインターネットの発展によって、世界経済には1兆9千億ドルの利益がもたらされる。これは、企業がモノのネットワーク技術の販売や利用によって得られる利益だ。2020年までに、モノのインターネット関連企業の売上は、総額3090億ドルに達するだろう。このほとんどは、サービスに由来するものだ」と予測している。 背景:政府は今年、「三網(電気通信ネットワーク、ラジオ・テレビネットワーク、インターネット)」の融合を全面的に推進する。光ファイバーネットワークの建設を加速し、ブロードバンドネットワークの速度を大幅に高速化し、物流の速度を加速する。モノのインターネットとは、あらゆる物体を繋ぐネットワークのインフラ建設であり、LED照明、スマート電力網、IPSTBやPTVを中心とする三網が融合した応用端末、統合型のシステム・プラットフォームによって形成されるハードウエア設備やサービスなどの応用なども含まれる。 3、健康産業の全面的促進 市場の焦点:直接的な利益を受けるのは、健康関連消費財や高齢者施設 ビジネスチャンス:中国に高齢化の波が押し寄せるにつれ、シニア市場での市場競争が全面的に勃発した。健康関連消費財や、消費類医療機器、高齢者サービスを行う医療機関など、シニア・健康業界は軒並み、その利益を受けることになる。健康サービス業というコンセプトは、高齢化のもとで登場し、医療改革の深化に伴い、医療サービス・高齢者サービス・保健サービスが集まって、「健康」をテーマとした多元化総合医薬産業が形成されつつある。 4、ますます成長するクリーンエネルギー 市場の焦点:市場規模予測1兆ドル ビジネスチャンス: 今年、クリーンエネルギー、既存産業の技術改造、省エネ・環境保護と生態建設プロジェクトなど、公共財に対する効果的な投資が提唱された。全国人民代表大会の代表を務める陽光凱迪集団の陳義龍・董事長(会長)は、経済観察報の取材に対し、「中国ではすでに、バイオマス発電の量産体制が整っており、煙霧改善という重圧を緩和することが可能となった」と述べた。 5、高速鉄道の「海外進出」 市場の焦点:市場規模予測4千億元超 ビジネスチャンス: 2015年、鉄道への投資は8千億元以上を維持、新たに8千キロ以上の鉄道を敷設することとなった。このうち高速鉄道には4千億元以上が投入される見込み。 背景:「1ベルト1ロード(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」戦略によって、海外高速鉄道建設市場を重点とする中国高速鉄道の海外進出が大きく推進された。中国は現在、20数カ国と高速鉄道協力合意を締結あるいは協議中で、シルクロード沿線区域を含む高速鉄道建設プロジェクトは9項目計画されている。このほか、国境を跨ぐ鉄道、一般鉄道、地下鉄など各種プロジェクト22項目の計画あるいは建設が進んでいる。 6、農業新モデルの創造 市場の焦点:時価総額1千億元の農業用物資サービス企業が誕生 ビジネスチャンス: 農業情報化のビジネスチャンスが、農業の精密化生産と電子商取引に巡ってきている。現代農業は、コンピュータ、リモート・センシング、GIS、通信、インターネットなど新興技術を利用し、農業産業チェーン全体の新型商業モデルを構築する方向にある。今後、農業用物資供給業者のビッグデータ分析能力は、生産指導やサービスに直接的に反映され、農業用物資の電子商取引は、従来型の販売体制にだんだんと取って代わり、農産物の電子商取引も、既存のルートに取って代わり、新しい形の農産物取引システムが構築されるだろう。1兆元の市場規模を備えた大型農業用物資の分野では、時価総額1千億元以上の農業用物資サービス企業が誕生する可能性がある。 7、大レジャー時代の到来 市場の焦点:1千億元規模の大型メディアグループが誕生 ビジネスチャンス: 「大レジャー時代」の到来によって、2種類の大型グループ企業が、今年の発展の注目点となっている。その一つは、「コンテンツ+プラットフォーム+端末」の融合に取り組むメディアグループ、もう一つは、「映画・テレビ・ゲーム」の融合という広いエンターテイメントコンセプトを持つグループだ。今後数年以内に、メディア企業同士のM&A、またインターネット企業によるメディア産業への参入がピークを迎えるかもしれない。その時には、1千億元規模の大型メディアグループが3社から5社、誕生する見込みがある。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年3月11日
|
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。 本社:中国北京西城区百万荘大街24号 TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850 |