財政赤字比率の3%への引き上げ、積極的な財政政策を具現

 

開催中の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)で、財政政策について熱い議論が交わされている。全国政協委員で華夏新供給経済学研究院院長を務める賈康氏が「経済日報」の取材に対して、今年の財政赤字や税制改革などについての見解を語った。

政府活動報告によると、経済成長の軌道修正、構造調整に伴う痛み、新旧の成長エンジン交代などを背景に、経済の下押し圧力が強まっている。このようななか、2016年の予算案で財政赤字は前年比で5600億元増の2兆1800億元、財政赤字比率は対GDP比で3%に引き上げる方針が示された。

賈康委員はこれについて、3%は年間ベースで言うと適切な数字であり、今年は積極的な財政政策を実施する方針であることを示すと指摘。「財政赤字の拡大は本来、拡張効果を持つものだ。財政赤字比率を2.3%から3%へ、0.7ポイント引き上げるということは、『積極的な財政出動による経済成長』を図る方針が明らかだ」としている。

積極的な財政政策は、安定成長にプラスとなるだけでなく、構造調整でも独自の役割を果たす。財政資金が脆弱分野の補強や民生改善、生態保護、リスク防止などに重点的に配分されれば、経済の下押し圧力にも耐えられると指摘する。3%の財政赤字比率は「強い刺激策」だとの見方もあるが、賈康委員はそれほど強い刺激ではないとし、より積極的な財政政策だとの見方を示した。

財政赤字比率の顕著な拡大で、債務返済圧力は増大しないのか、という問題も注目されている。賈康委員は、赤字比率が拡大しても、債務返済圧力は受け入れ可能な範囲内だと指摘。「中国の公共部門の起債の規模は非常に明確だ。数字は安全圏内にあり、この方面のリスクについてはコントロールする自信があるはずだ」と強調した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月10日

 

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