上下九歩行者天国

 

もしも西関大屋が「貴族」的な雰囲気を帯びているというなら、西関のもう一つの建築様式である「騎楼」は完全に広州の庶民生活の濃厚な息遣いを反映しているといえるだろう。騎楼は店舗と住居を合わせた建築で、19世紀末から20世紀初めにかけて現れ、西洋建築と嶺南伝統文化とが結合し変化したものだ。騎楼は雨が多い広州の気候に非常に適合しており、高くて広い通路は雨や日光を遮ることができ、さらに商品の展示に便利で、商売繁盛にもつながる。このため騎楼はあっという間に広州の街全体に広がり、1920~30年代には街の景観の主役となっていた。 

 

紙製の大きなニワトリの模型を身に着けてチャルメラでオンドリの鳴き声を真似しながら、西関の小吃「鶏公欖(塩やカンゾウで漬けたオリーブ)」を売る人

 

現在でも、上下九は騎楼建築の保存状態が最も良いエリアの一つである。上下九は、上九路と下九路、第十甫路を合わせた名称だ。今ではここに多数の商店が集まり、通りは人々が押し合いへし合いするほど混み合い、広州で最も人気のあるショッピングストリートとなっている。各種高級百貨店をはじめ、蓮香楼や陶陶居、広州酒家といった老舗レストランも軒を連ねる。ここでは、高級ブランド商品を購入することもできるし、バーゲンショップで散財することもできる。100年続く老舗レストランで伝統的な豪華広東料理コースを味わうこともできるし、種々の小さな店で本場の広東小吃(軽食)に舌鼓を打つこともできる。まさに、さまざまな事物を包容しつつ、各自必要なものを取り入れるということが、広州という街の精神の在り方なのである。

 

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