田園の奇跡を生んだ「第六次産業」

 

1ムー(約6.7アール)のジャガイモを植えるとどれだけの利潤を得ることができるのか。もしこの問いかけを普通の農家にしたならば、500元と答えるかもしれない。栽培専門農家に聞けば100元という答えかもしれない。しかし成都温江区万春鎮の「ジャガイモ伝奇」と呼ばれる生産基地では、数人の大学院生が驚くべき数字を生み出した。1ムーごとの年間総利益が10万元近くに達するのである。

一般の栽培農家と比べると100倍にもなる利潤をどうして彼らは得ることができたのか。その答えは彼らが農業の現代化の中の第一次、第二次、第三次産業の融合発展を堅持し、立体化した「第六次産業」を形成したからである。第六次産業とは、農家に多種経営を奨励することにより、農作物の栽培(第一次産業)だけでなく、農産物の加工(第二次産業)と農作物と加工品の販売(第三次産業)にも携わり、さらに多くの付加価値を得て、農業と農村の持続可能な発展に明るい未来を開くものである。

「ジャガイモ伝奇」創業グループの万春鎮にある基地に入ると、最も印象深いのは地面から掘り出したばかりの紫色のジャガイモイモの山である。グループの創始者である劉一盛さんは、大学在学時には早くも、普通の品種のジャガイモの市場価格はあまりに低く、利潤スペースが大きくないことに気づいており、さまざま種類のジャガイモを試食したのちに、彼は「紫色のジャガイモ」に目をつけた。

「一般のジャガイモと違って、紫色のジャガイモは国外から導入されたジャガイモで、アントシアンを豊富に含み、栄養価がとても高く、さらに国内の栽培面積もまだあまり多くありませんでした」。試験的な栽培に成功した後、会社は500ムー余りの土地をテスト栽培基地として借りて今年から栽培を始めているが、すでに1ムー当たり1500キロの収穫を安定的に得ている。

当然、「ジャガイモ伝奇」グループは紫色のジャガイモの「栽培と販売」だけに甘んじていない。「第六次産業」の理念を堅持した彼らはまさに産業チェーンを開拓中で、商品の付加価値を深く開拓しているところである。少し前に創業グループはある加工食品企業と協力合意に至り、基地で育てた紫色のジャガイモを用いて特色あるジャガイモスナックを生産することにした。そのほか、彼らはさらに都市住民がジャガイモ掘りを体験したり予約購入したりするプロジェクトを開発し、同時に第三次産業の「農家体験観光」を発展させている。

「第六次産業は、都市の現代農業の発展の真髄であり、成都の農業の現代化が今後向かう方向となります」と、成都市の関係責任者は語る。「もし農業の現代化を実現したいなら、上流部分の投資や建設に頼るだけではまったく足りず、農業リソースを放出でき、農業の付加価値をあげる商品の育成に力を入れ、栽培から加工、そして販売までの大産業チェーンを形成させなければなりません」。

 

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