G20財務大臣・中央銀行総裁会議成都開催の秘訣を示す五大キーワード

 

7月23日~24日、2016年第3回G20財務大臣・中央銀行総裁会議が成都で挙行され、米国、日本、ロシアなどの国の財務大臣と中央銀行総裁、および世界銀行、アジアインフラ投資銀行、国際通貨基金などの国際組織の責任者が成都にやって来て、ハイエンド対話を展開した。

現在の最重要会議の一つとして、G20財務大臣・中央銀行総裁会議はその誕生以来、ずっと世界でも重要な影響力をそなえた都市を選んで開催されてきたが、このたびの成都における会議は史上初の中国西部地域における開催である。

この尋常でない選択の背後には、どのような深い意味が隠されているのか。われわれは歴史と現実という角度から、全面的に探っていきたいと思う。

 

実力:西部地域を牽引するリーダー

初回のG20財務大臣・中央銀行総裁会議は、1999年12月にドイツのベルリンで開かれた。今日に至るまで、この重要な会議は23回開かれている。

開催都市からみると、そのうち14回はメンバー国の首都で開かれ、中でもワシントンとベルリンが最も開催回数が最多の都市で、その他もみな中国の上海やブラジルのサンパウロなど、重要な経済の中心都市である。一言でいえば、これらの挙行都市は政治の中心でもあり、経済の中心でもある必要がある。

四川・成都は、この基準に合致するのだろうか。データを用いて語ってみるならば、2015年、四川地区の総生産額は初めて3兆という大台を突破し、全国第6位に上昇している。ちなみに、2014年のスイスの総生産額がまさに3兆で、世界第20位となっている。

四川を1つの独立した経済体として捉えるなら、2015年の経済規模はすでに2014年の世界第20位に相当しているということだ。まだ全国の経済の中心とまでは言えないにしても、西部一の座は譲らない。

 

内包:遠くまで名が知れ渡る「金融の都」

財政、経済がG20財務大臣・中央銀行総裁会議の「主旋律」である。これ以前の開催都市を見渡すと、ほとんどがワシントン、ロンドン、ベルリン、上海といったような経済都市である。

成都も見くびることはできない。北宋時代(960~1127)、成都は世界の金融イノベーションの先頭に立っており、世界で初めての紙幣である「交子」がここで誕生している。

今年5月末までの段階で、成都には各種の銀行、証券、保険機関が計400社余りあり、なかでも外資系銀行、保険会社の総数はそれぞれ16社と17社で、中西部の都市ではトップクラスであり、金融取引量も同様に西部のトップである。

自らの巨大な市場と際立った都市の魅力により、成都は大量の外国資本流入を引き寄せている。西部の金融センターは今まさに興起しようとしている。

 

気質:至る所にある国際的気質

週末になると、成都を流れる錦江河畔にある「暗黒の中での対話」体験館は人でごったがえす。

「暗黒の中での対話」体験館はドイツで始まり、障害者や社会的弱者に対する偏見や差別をなくし、社会の包容性と平等を促進し、障害者に多様化した就業の機会を提供しようとするものである。

2013年、中国内地初の体験館が成都に開かれた。マイノリティーでありながら流行するモデルとして、中国内地で初めての体験館が成都に設けられたのは、成都の国際的な特殊な気質を重視したからである。

「暗黒の中での対話」内地第一号館ここにあり、スターバックスの華中地区最大のフラッグシップ店がここにあり、無印良品の世界最大の店舗がここにある。今や国際的視野に照らされた成都は、もはやパンダ、グルメ、自然景観などの固有の「名刺」だけに限定されることなく、「国際化」がすでに最も他とは異なる気質となっていて、航空第四の都市、領事館第三の都市、世界トップ500企業の過半数が拠点をかまえる都市、『フォーブス』による今後10年で最も早い成長を遂げる世界のナンバー1都市、『フォーチュン』誌の選ぶ15の世界の最優良新興ビジネス都市であり、この種の至るところにあふれる国際的気質がG20財務大臣・中央銀行総裁会議の挙行都市に多く合致するところとなったのである。

 

経験:高まる「会議の都」としての名声

6月、2016年中国成都グローバル・イノベーション起業フェアが成都で挙行された。2012年、第12回フォーチュン・グローバル・フォーラムがここで挙行され、フォーチュン・グローバル・フォーラムは「世界経済の行方を把握するための最もはっきりとした最も直接的な窓口」と言われた。その回のフォーチュン・グローバル・フォーラムは中国で四回目の開催であったが、中国の西部都市では初めてであった。

フォーチュン・グローバル・フォーラムから世界華商大会、世界空港都市大会、さらに最近のグローバル・イノベーション起業フェアまで、一回一回の国際会議に認められると同時に、新たな「会議の都」が今ひそかに興起しつつあり、また一回一回の実践のなかで、成都は国際会議の主催経験をさらに豊富にしていて、会議接待から安全警護組織まで、ミクロな事柄から社会環境まで、成都は更にその腕をあげており、これもまたG20財務大臣・中央銀行総裁会議が重視したところである。

 

テーマ:ひそかに共鳴する「時代のリズム」

今回の会議のテーマは「共に成長を促し、共に責任を担い、共に管理を行い、共に発展を享受する」で、グローバルエコノミー情勢、成長の枠組み、投資とインフラなどの議題を含んでおり、根本的にこれらは現在経済の奥深い調整が行われている世界経済が新たな動力を探すためのものである。

「1帯1路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」と長江経済ベルト戦略の提起以来、四川はさらに発展思想の優良化をすすめ、四川の建設・発展を国家戦略、国際競合という大きな背景のもとで思考・計画し、より開発を進める姿勢を強めることで発展の機先を制し、さらに一歩建設の重点を際立たせ、インフラの相互連結の推進を急ぎ、積極的に「1帯1路」国家と地域の経済・貿易協力と人文交流を促進し、全面的に国際化した交流・協力の大舞台を築き上げることを何度も強調している。これもまた「共に成長を促し、共に責任を担い、共に管理を行い、共に発展を享受する」ための生きた実践である。(記者=梁現瑞)

 

 

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