中国の痕跡を深く刻んだG20

 

G20杭州サミットが5日、首尾良く閉幕した。将来、世界各国の歴史教科書は「中国の痕跡を深く刻んだ」として今回のサミットを記述するかも知れない。歴史は後世の人に、世界で最も人口が多く、悠久の歴史を持ち、最も美しく発展するこの台頭する大国が、世界に中国の思想を捧げ、中国の特色を示し、中国の風格を示した物語を語るだろう。(文:王文・中国人民大学重陽金融研究院執行院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

会場などハード面でも、精神文化の観点、あるいは思想的貢献の面においても、杭州サミットは「中国の風格」を史上最も体現した。杭州サミットで採択されたコミュニケも、史上最も成果が多く、発展途上国の声を最も代表し、最も実行可能性のある内容を持つG20の重要な文書だ。

過去10回のG20サミットは、通常近い時期の難題及び来年の対応策を議論するだけだったが、杭州サミットのガバナンス期間は2030年にまでいたる。さらに重要なことに、この「中国の風格」は途上国と先進国の最大公約数を見出し、中国をグローバル・ガバナンスの高い位置に立たせた。

中国はすでに世界団結の接着剤だ。77カ国グループの議長国タイ、「アフリカ開発のための新パートナーシップ」議長国のセネガル、G20でない50数カ国を代表する組織「グローバル・ガバナンス・グループ」代表のシンガポール、アフリカ諸国を代表するアフリカ連合議長国のチャド、ASEAN10カ国を代表する議長国ラオス、及び中央アジア諸国を代表するカザフスタンと北アフリカ・中東の途上国を代表するエジプトを招待することによって、杭州サミットは途上国と先進国がより容易に大きなプラットフォームで平等に協力し、グローバル・ガバナンスの重要事を共に協議できるようにした。

中国はすでに世界振興のエンジンだ。杭州G20コミュニケはG20革新成長ビジョン、貿易投資円滑化の指導原則、環境金融と金融包摂の計画及び雇用、エネルギー、食糧安全保障の内容を盛り込んだ。より重要なことに、コミュニケは構造改革を通貨や財政政策と同等に重要な位置に据えた。コミュニケは世界経済振興の原動力を引き出した。長期と短期を結合し、個別対策と抜本的対策を兼ね備える良薬だ。

中国はすでに国際協力の設計者だ。杭州サミットを通じて、中国はG20の新たな使命を見出し、危機対応の臨時制度を、2030年までの人間の持続可能な開発目標計画に尽力する長期有効なガバナンス制度へと格上げした。これは「G20はもう古い」とする西側の一部のシンクタンクやメディアの論調に対する力強い回答だ。今後15年間のロードマップを設計することによって、G20が格上げされたことは間違いない。

「革新、活力、連動、包摂」。杭州サミットはこの4つの言葉の経済学と国際政治学における生命力を渙発し、知識と思想における人々の研究の境界を広げ、中国の特殊な貢献を世界に記憶させた。これは杭州サミットが世界の歴史に刻む中国の痕跡の1つでもある。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年9月6日

 
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