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即墨老酒:数千年の古法が「醸す」新境地

 

数千年の悠久の歴史に育まれた即墨老酒(チームー・ラオチュウ)は伝承されてきた昔ながらの伝統技術を堅持し、世の中に醸造銘酒を送り出し、時代に歩調を合わせ、絶えず自らを乗り越え、老舗の看板に新風を吹き込んできた。

「6法を守り、5関をつかむ」クラシック醸造

酒の誕生は偶然だったが、即墨老酒が永久不滅なのは必然性を持っているからだろう。古い醸造技術を伝承し、守っていることと、製品の品質に対する追求精神こそが、その鍵を握っている。

即墨老酒博物館の孫挙大館長は記者に「即墨老酒の伝統醸造技術はすでに数千年継承されてきました。われわれは『古式6法』に基づく伝統的な醸造技術の要求を厳格にたどると同時に、時間をかけて、「6法5関」技術の真髄を総括して来ました」―と、前置きして、以下のように詳しく説明してくれた。「6法」というのは①原料のモチアワを精選②麹菌のタイミングを計る③良い水を使う④入れ物の陶器はよい物を使う⑤濾すときには清潔に⑥火加減に注意する。「5関」とは①煪穈(蒸す)②糖化③発酵④圧搾⑤陳儲(貯蔵)の工程。品質の良し悪しは極めて微妙である。「法」をよく守り、「関」をよく把握し、これを反復実践、磨きを掛けることによって、最高水準に達する。

地域、原料の水、技術的な複雑さに限って言っても、即墨老酒の伝統的な醸造技術は真似ができない。師匠から弟子へバトンを受け継いできた酒造りの人々の立場から言えば、光栄で神聖な歴史的な使命なのである。さらに即墨老酒という無形文化財をもっとPRするために、2009年、企業は中国北方で唯一の黄酒(ホワンチュウ)特別博物館を設立した。2013年、即墨老酒の伝統的な醸造技術は「山東省無形文化財」のリストに盛り込まれた。

陶製の容器で寝かせている蔵

北方黄酒の「黄埔軍官学校」

「技術3分、経験7分」。醸造業において経験が品質の鍵を握り、人材がその経験を裏付ける。

即墨老酒省無形文化財を代表する伝承人の韓吉臣氏は、工匠(職人)と工人(作業員)が異なるのは、細部に対する追求心であり、彼らは完全、極致を追及する。韓氏は「即墨老酒の職人は代々、品質を命と同じように大切にし、いつも極上の品質を追求してきました」と語る。

即墨老酒醸造技術を保護、継承するために、韓氏は地方基準、産業基準、国家基準10項目余の起草と制定に参与し、合わせて、北方黄酒産業唯一の代表者として、黄酒高級醸造酒師の技能検定統一育成教材の編纂にも参与し、黄酒産業各種基準の制定、模範的な産業発展と北方黄酒の基礎研究のために、積極的に貢献した。

現在の即墨老酒には、国家認証専門技術職が50人余、国家高級醸造師、効き酒師等の権威チーム7人、高級醸造工、技師が30人余、この外、青島、即墨技術最優秀人材、山東省チーフ技師、山東省特別貢献技師、山東省奨励労働賞、山東省労働模範などの栄誉を獲得している。即墨老酒は中国北方黄酒人材養成の「黄埔軍官学校」としても讃えられている。

蒸す工程

サプライサイド改革で新活力

競争が日々激化している情勢下で、即墨老酒は積極的に刷新と変化を追求し、サプライサイド改革を推進し、自主的に刷新能力を高め、開発・振興を加速させてきた。

即墨老酒は製品刷新と技術刷新を決して忘れず、しっかり堅持してきた。製品刷新の面では包装の簡素化、国際化、大衆化を図り、生産コストを下げると同時に、小売業者、消費者に利益が回るようにしている。さらにドライ型の即墨老酒などの便利な新商品を開発し、さまざまな消費者層の需要に応えている。

技術刷新の面では、即墨老酒は自主的な刷新と産学協同研究をともに強化し、新型糖化機の設計と改造、槽式発酵、大罐発酵、現代バイオ技術を利用したドライ型即墨老酒、冬虫夏草即墨老酒等の技術刷新プロジェクトによって、事業の空白部分を埋めている。新技術の応用と新製品の研究開発は、即墨老酒に年平均3000万元(約4億5000万円)余の経済利益をもたらしている。(沈俊霖)

 

人民中国インターネット版 2016年9月26日

 

 

 
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